第15Q



テツのパスでお父さんを欺いき思い切り決まったダンク

「…なっ」

「え…!?」

「……!?そーいやあんな奴いたっけ?
てか今どっから…!?
くっ…とにかく一本!返すぞ!」


谷村から8番はパスを受け取ろうとしたとき、またテツが割って入る。
おもいきりバウンドしたボールは火神の手に渡りシュート。


「マジかよ!!?

スティールしたボールをそのままダンク!?」


「ってかいきなりダンク2連発って、予選1回戦だぞおい!!」


「すげーなマジ
…特に黒子ってこんなだっけ…?
子ども扱いされたのそんなに怒っちゃった?」


「そっスね…」



――「ガッカリだよ弱くて…キセキノセダイってみんな子供?」


「やってもないのにオマエが言−な…ってカンジじゃん?っスよ」


そして、第1Qが終了し、点差は15点


『ノルマの倍ですね』


「えぇ!でもむしろここからが大変なのよ、黒子君!交代よ」


『お疲れさま』

テツに用意してあったスポーツドリンクを渡し、他の人にもタオルとドリンクを渡した


「ここからしばらくは黒子君は温存しなきゃならないわ。
攻撃力が落ちる中盤の間、いかに点差を縮めさせないか。」


『試合を見たところ、あっちにはお父さん以外は別に驚異ではないですよ。お父さんを抑えれば勝てますよ』


「…そう。だからこの試合はつまり、火神くんがお父さん相手にどこまでふんばれるか、それに尽きるわ!
あの高さに対抗できる可能性があるのは君だけなのよ!」


その言葉に、火神の表情は引き締まる。


「まかせろ!っスよ!」




―――――

「オマエら、どいつもこいつもヤル気はあるのかね?
特にパパ。
寝坊した上にこのていたらく、充分寝てたんじゃないのかね?」


「寝てません!
じゃなくて寝てましタ!」


「パパがいるんだ。高さで勝負すれば必ず勝てる。
練習どおりやりなさい…行け」


「「「「はい!!」」」」


「やっべーカントクー。
近年まれに見るキレっぷりだぞ…」

「ええっ!」

「これで負けたら明日から練習ハンパないことになるぞ
…まだ試合してたくね?」

「練習ヤダ!試合がいい!勝つ!!」





――――――

…。


さっきよりも、ジャンプが高くなった気がした。
やっと本気になったということか…


「もう本気!負けなイ!!」

「ハッそうこなくっちゃな。
テンション上がるぜ
お父さん!」


「……」


試合をしていてだんだんとその高さにもなれて来たのか第1Qの調子が出てきて、すごい威圧感を感じた。
皆全然負けてない。


「カントク、桐月さん、特訓の成果出てるっスよ!」


「…え…と、てゆーか…ですぎ かな?」


「え?」



ふむ、出過ぎだな。
ここまで上手くなるまでの練習期間はなかったはずだ。
涼との試合から、また一段と力をつけたような…






―――いつか必ず「キセキの世代」と同格に成長してチームから浮いた存在になる


そのとき火神は今と変わらないでいられるんスかね?




涼の言葉を思い出した。
…彼らみたいに私みたいになってしまう火神を想像するのは嫌だ…





ワッ!!





自分の世界に入っていた私は、周りの歓声で意識を引き戻された
谷村が3Pを撃ったのだ
今の点差は9点か…




「黒子君!ラスト5分いける!?」


「…むしろけっこう前から行けましたけど…」


「ごめん!じゃーゴー!!」


選手交代
仕掛けが分からない新協学園の人たちはまさに、手も足もでない状態だ。
そして、お父さんがボールを持った。



「ヤダ!負けるのゼッタイヤダッ!
おぉお!!」


一段と高く飛ぶお父さん


「キセキの世代にガッカリとか言ってたけどチョーシこきすぎだね!


あいつ等のほうが……

断然強−わ!!」





思い切りジャンプとして、お父さんのシュートを叩き落した。



「試合終了―――!!!」


そして、私たちは新協学園と12点差で勝ったのだった


「誠凛高校の勝ち!!
ありがとうございました」



『……はぁ』


「どうしましたか悠音さん?」

『…いや、ちょっとね…』


「…?」


『あははー…久しぶり…って訳でもないかなー』


観客席の方から感じた視線…と言うより存在感が…ねぇ?








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