第９Ｑ
｢じゃ、行ってきます。｣
フラッと歩き始める黒子
それに気づいたリコ先輩は止めに入った
｢いやいやいや、何言ってんのダメ!ケガ人でしょ!てかフラついてるじゃない｣
「?今行けってカントクが…｣
「言ってない!たらればがもれただけ!｣
｢…じゃ出ます｣
｢オイ!｣
｢ボクが出て戦況変えられるなら、お願いします。…それに約束しました。火神君の影になると｣
｢…………。｣
ベンチにいる全員が黒子に注目する
『リコ先輩、テツを出させて上げて下さい。』
そう言って悠音は頭を下げた
｢…ふぅ。わかったわ…!ただし、ちょっとでも危ないと思ったらスグ交代します!｣
ガラガラ…
住宅街をリアカーが走っている…
正しく言えば自転車の荷台とリアカーを紐でくくりつけたような感じである。
｢くっそー。信号待ちで交代ジャンケンなのに…まだオマエ一回もこいでなくね?｣
お汁粉を飲もうとした少年が言った。
｢そんなの…当然なのだよ。なぜなら今日のおは朝の星座占い、俺のかに座は一位だったのだから。｣
｢関係あんのソレ!?(怒)つーかわざわざ練習地合なんか見る位だから相当できんだろなオマエの同中!?｣
｢マネッ子とカゲ薄い子だね。それにもしかしたら魔術師もいるかもなのだよ。｣
｢それ強いの!?｣
｢それより早く!試合が終わってしまう!たぶんもう第4Ｑだよ!｣
｢オマエが占いなんかみてたからだろが!!(怒)｣
第4Ｑ―――
残り時間5分
シュッ…
伊月先輩のパスが黒子に渡る
ッパ!!
｢慣れかかってたのにまた元の薄さに戻ってやがる…!第2．3Ｑ丸々20分ひっこんでたから…!?｣
得点は80点対82点で誠凛が海常より２点負けている
｢うおお、マジか!?差が詰まってる…!?｣
だが、黒子の消耗がいつにも増して早い
バッ!!
日向先輩のシュートが…
｢まさか…ウソだろ…!?｣
シュパッ!!
綺麗に弧を描き入った
｢………同点…!?｣
｢同点だぁー!?誠凛ついに、追いついた!!｣
にやっと笑った黄瀬
『(涼の雰囲気が一気に変わった…本気になったかー)』
ドキュ!!
黒子が抜かされ…
火神が止めに入る
『……テツ』
フッ…
黒子が決める前に勘付かれてかわされた
｢｢………!｣｣
｢なっ…｣
火神をかわしてタングする体勢に入った
ガンッ!!
黄瀬のダンクが決まった
｢オレは負けねぇスよ。誰にも黒子っちにも｣
黄瀬からは殺気にも似た空気が漂ってきた
｢(コイツ、ここに来て…まだ強くなんのか!?黒子も見切ったってのかよ!?)｣
｢やべぇな…全員気ィ入れろ、こっから試合終了まで第１Ｑと同じ…点の取り合い(ランガン勝負)だ!!｣
｢うわぁあ、また同点!?｣
98対98…
まだ逆転のチャンスはある
｢っの…!!しぶとい…!!トドメさすぞ!!｣
残り時間
15秒――――
｢時間がねぇぞ!!当たれ!!ここでボール獲れなきゃ終わりだ!!｣
｢｢｢｢｢おぉ!!!｣｣｣｣｣
全員が一人一人につきマンツーマンの形になる
｢火神君、一瞬いいですか。ここ獲れば…黄瀬君にコピーされない手がもう一つあります｣
｢守るんじゃダメ!!攻めて!!!(残り10秒切った…もうウチに延長を戦う体力はない――――!!)｣
残り時間
7秒
ガクッ…
｢(…っの、ヘタレ!!)しまっ…｣
笠松のシュートが…
バシッ!!
｢なっ…｣
火神が防いだ!!
そのこぼれ球を火神にパスした
火神と黒子を止めに入ったのは黄瀬…
｢黒子!!｣
火神は黒子にパスをした
｢(!?黒子っちにシュートはない!二人(ツーメン)だったら火神にリターンしかないスよ…!?)｣
｢｢｢｢｢｢!?｣｣｣｣｣｣
｢…パスミス!?｣
残り時間
1秒
｢……じゃねぇ!!アリウープだ!!｣
｢させねぇスよ!!………!?(―――――まだ…!?いつまで…!?同時に跳んだのに先にオレが落ちてる…!?なんなんだ、オマエのその宙にいる長さは…!?)｣
一回きりの単純な手ですけど…
『いや…勝てる手ならまだ１つだけある…』
｢テメーのお返しはもういんねーよ!!なぜなら…｣
『試合終了と同時(ブザービーダー)で決めちゃえばいいん(です/だよ)。』
｢これで終わりだからな!!!｣
ガッン!!
誠凛:海常
100対98
……もう決着はつく
第９Ｑ 約束しました
(よく頑張ったね、皆)
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