第10Q
「うわぁあぁあああ!!」
「誠凛が!?勝ったぁああ!!!」
「嬉しい通り越して信じられねー」
「うおっ……しゃあぁあ――――!!」
「……」
体育館の中に歓声が響き渡った
喜び方は人それぞれ
強豪校に勝てたという事に信じられないと思う日向先輩やガッツポーズしながら雄叫びを上げて喜ぶ火神、そして僅かに微笑んでいるテツ
よかったね
みんな…
「負け……たんスか?」
後ろを振り返れば、涼が目を見開いて立ち尽くしていた
「(生まれて……初めて……負……)」
黄瀬の目から涙が溢れ、頬を伝っていた。
「あれ?あれ?」
「黄瀬、泣いてねぇ?」
「いや、悔しいのは分かっけど……練習試合だろ、たかが……」
っ!!
ふざけるなっ!!
たかが練習試合だと??
悔しいに決まってるだろうがっ!!
涼は今、初めて負けたんだぞっ!!
お前らに涼の悔しさが分かる訳がないだろう!!
唇を噛み締める悠音
「悠音さん……」
悠音は黒子が自分の名前を呟いたのに気付かなかった
「っのボケ!!メソメソしてんじゃねーよ!!」
「いでっ」
「つーか今まで負けたことねーって方がナメてんだよ!!シバくぞ!!」
幸さんもうシバいてるからー!!
「そのスッカスカの辞書にちゃんと「リベンジ」って単語追加しとけ!」
涼はいい先輩たちに会えたみたいだ……
流石幸さん!!←結局そこへ繋がる
「整列!!100対98で誠凛高校の勝ち!!」
「「「「ありがとうございました!!!」」」」
こうして海常との練習試合は終了した
リコ先輩は爽やかな笑顔プラスお肌がツヤツヤしていた(笑)
反対に武内監督は機嫌よろしくなかったが
ふっ…
ざまぁみやがれ
「地区違うから次やるとしたら……I・H本番スね」
「絶対行きます。全裸で告るのやだし(悠音ちゃんに…)」
「?」
負けたら全裸で告白って…
それって告白した時点でフラれるしー
「黄瀬は?」
「どうしても顔見せらんないって謝ってどっか行った」
「ったく……」
はぁ…
涼は世話がかかるなー…
探しに行くかー
「「「「「ありがとうございました!!」」」」」
『あー、私忘れ物しちゃいましたー(忘れ物という名の幸さんのアドレスだけど)
みなさん先に行ってて下さい』
「忘れ物?それならここで待ってるわよ……?」
『いえいえ、テツを早く病院へ連れていって下さい。お願いします。』
「……わかったわ。忘れ物見つかったら携帯に連絡ちょうだい」
『分かりましたー』
みんなと別れた後、私はまず幸さんのアドレスをGETするため体育館の方へと歩き出した
『幸さーん!!アドレス教えて下さい!!』
「////えっ!?いいですけど…」
携帯を向けあって
ぴろりーん
『ありがとうございますv』
「##NAME1##さん…ホントは黄瀬を探しに来たんスよね?黄瀬なら多分水道にいます」
『Σ!?ありがとうございます。それでは…』
そういうと悠音は黄瀬のもとへ向かった
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