「着きましたね、ここがタマムシシティというところみたいです。」

その日、皐月と緑嵐、燈眞は仕事の依頼で別世界へ来ていた。

依頼というものは別世界であるカント―地方と呼ばれる場所で調達出来る品を頼みたいということだった。

本来ならば異世界へ移動することは限りなく不可能に等しいが幸いにしてギルドではそれを可能にすることが出来る。
ギルドを作ったのは王家出身である緑嵐で、王家は古の時代国を統括してきた存在で神と親密な間柄でもあるため神の力を借りて別世界に移動することが可能だ。

何より神々のスリートップとされる御柱のひとりである冥竜の遙が直属に協力してくれている。
遙はギルドに所属する緑嵐と同じ王家出身の緋沙奈という少女に、守護龍という彼女を護る使命の為に傍に居て正直な話、神の役職を放棄している。

よっぽど緋沙奈が大事で愛しいのか神の役職より緋沙奈という少女を優先しているようだ。
緋沙奈がギルドに所属していることもあるが、緑嵐と親しい間柄でもあって快く協力をしてくれているのだ。

異世界へ移動出来る道具を遙が提供してくれた、その道具には制限時間があるわけでもないので時間を気にすることなく滞在することは出来るがあくまでも仕事の依頼であるので長居は出来ない。

「つか、緑嵐って第一課の副長だろ?何でお前も来てんのかね。」

「緋奈も翡翠も楓も別件を抱えているんだよ。皐月ひとりで行かせるわけにはいかないし、かと言ってお前とふたりで行かせるのも安心できなくてな、急遽俺も同行だ。」


「うわぁ〜信用ねぇな。」

「サボり魔を信用しろというのもどうかと思うんだがな、だったら日頃の行いを改めておけ。」


依頼を引き受ける課は第二課であり、第一課は自警団であり緑嵐は第一課の副長を務めているのだが今回は異例として同行してきた。

その理由が皐月と燈眞の2人で依頼を達成するべく異世界へ行くというのが不安だったからなのだとか・・・。
日々燈眞が室長であるのにもかかわらず仕事をせずサボっていることが祟ったのか信用というものが0に等しい。

しかしそれを言われて落ち込み素直に真面目に仕事をすると宣言するような男ではないので、燈眞はただ苦笑しただけだ。

タマムシシティというカント―の街の中でもデパートなどで品揃え豊富な街へやってきたが、ここの世界というのは自分達が居た世界とは異なる点が多いのだと皐月は感心の吐息を吐いた。








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