同行しても良いかと尋ねる皐月に煌希は問題ないと構わないと告げた。

すると皐月は嬉しそうにふわりと笑んで“ありがとうございます!”と礼を言い、緑嵐と燈眞の元に振り返ると彼らはここで待っているから行ってこいとそう言ったのだ。

「何かの縁だ、真琴達と話をして待ってる。必ずしも早々に調達して急いで帰れということもないからな。」

「雰囲気の良い喫茶店が近場にある故、案内する。」

「ってことだから誕プレ選んでこいよ、そこの喫茶店料理も結構うまいんだぜ?」

「名産品調達よろしく〜へぇ?じゃあ俺は何にすっっかなぁ。」

短い間に仲良くなったのか、あるいは相性が良いのかすっかり喫茶店に行く雰囲気になっている。

言われてみれば緑嵐と真琴は武士的なところに通じる点には似ているような気もして、燈眞と雷軌に関しては友人感覚で進めているような気がしてならない。

「・・・勝手にしろ、行くぞ。」
「えっ?あ、はい!」

向こうに好きなようにやるというのだからこっちも買い物を済ませてしまおうと煌希は皐月を連れてタマムシデパートの中へ入って行き、は皐月は煌希に遅れを取らないようにと彼と並んで共に歩んで行く。



そしてまず買い物に選んだ場所は名産品売り場だった。

「えーっと・・・たくさんあるんですねぇ、煌希さんどれがポピュラーな品でお勧めとかってありますか?」

「・・・このラッキーの人形焼きとかじゃないか?この街で作られている品みたいだしな。観光客にも人気だとよ。」

「へぇ、そうなのですか!それじゃあこれをふたつ買いますね、緋沙奈ちゃん達にもお土産買わないとですし。」

煌希からどの名産品が良いかと聞くと彼の言葉からはラッキーの人形焼きが良いのではないかとアドバイスを受け、は皐月はラッキーの人形焼きを2箱手に取った。

依頼か名産品の入手で1箱で事足りるが、同僚の緋沙奈達の分も買っておこうと思ったのだろう。
依頼でもなければこうして別の世界へ来ることもないのだから、記念のひとつだ。








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