「そんなぺこぺこ謝んなくても別にかまわねぇけど。・・・お前ここの地方初めてきたのか?そういう顔してるぞ。」

「えっ?あ、はい!ここの地方ははじめて来たんです!私は皐月って言います・・・えぇっと・・・。」

「俺は煌希だ。」

皐月が申し訳なさそうに頭を下げて謝罪していると青年はそこまでの事でもないからもういいと制止して、皐月の行動と顔を見るなりカント―地方出身者では無いかと問うた。

青年の言葉通り皐月はこの地方の出身者ではなくましてやこの世界の住人でもない。
ただ、それを青年が知らなくともはじめてタマムシデパートを見上げるような興味心に満ちた皐月の表情をみれば誰でも初めて来た地方ではないかと見て取れる。

そして青年の名は煌希という名だという。

「ひとりでタマムシまで来たのか?デパートに用があるのはぶつかってきたからわかるんだけどよ。」

「あ、いえ。私ひとりではなくてですね・・・緑嵐さんっ!燈眞さんっ!」

ひとりでここまで来たかと言われ皐月は横に首をぶんぶんと振り自分の元に駆け寄ってくる影が見え、緑嵐と燈眞の名を呼んだ。
緑嵐はやれやれと言った風体で燈眞は緑嵐ほどは気にした様子はなく両手を首の後ろで組んでにやっと面白そうに笑っていた。

“気をつけろといっただろう、お前も時々忙しないことをするな全く”と緑嵐は呆れたように皐月を静かに少しばかり叱った。
以前までは突拍子もないことに活気良く行動するような少女ではなかったはずだったのだが、夜凪の影響で変わってきているのかも知れないと緑嵐は痛感しほんの少しだけ頭が痛くなるのを感じた。

「すまなかったな連れが迷惑を掛けたようだ。」


「別に気にしてねぇけどな。・・・俺は煌希って言うんだがお前らは?」

「緑嵐、ここのデパートに用があってな。3人で来たばかりだ。」


「俺は燈眞だぜ、あんたはひとりか?」

「いや、俺も連れがいる・・・って、あいつらやっときやがったか。」

緑嵐と燈眞が煌希に挨拶をすると燈眞はさきほどまで煌希が皐月に問い掛けた言葉をそのまま煌希に尋ね、煌希は緑嵐達と同じく連れがいると否定しかけるが、その言葉は表情は面倒くさそうにようやくかといった感じであった。

そして煌希が目をやる先に2人の影が見え始めた。









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