ここの世界は自分達が居た世界とは異なる点が多い。
そのひとつが人間とポケモンが互いに存在し、ポケモンは野生のポケモンもいれば人間の元で生活しているポケモンもいるのだそうだ。

人間の元で生活しているポケモンの大半はモンスターボールと呼ばれるボールの中に入っているのだとも聞き自分達と居た世界とはまるで違う。

まず人間は稀で希少種なほどほんの僅かしかいない、それも時空と空間の神による二次災害によって巻き込まれて辿り着き記憶を失くしこの世界で生活するしかないと宣告されたからこそなのだが。
皐月もその事例にあてはまる存在だ。

ポケモン達も野生と呼ばれる森や海などで暮らす者達も多少はいるが、それ以外は家を持ち家族を持ち街で暮らしている者達だ。
その生活は人間のものとそう変わらないだろう。

「狭くないのかねぇ、ボールの中なんだろ?」

「さぁな、だが何かしらの策が講じられた結果だろう。憶測だが狭くて嫌なら入る必要もないし人間も強制はしないはずだ、見た目とは対極に快適空間かも知れないな。」


「四次元空間とかそういうのでしょうか?あっ!あれがデパートですね!大きいです。」

嫌ならば入る必要もないのにボールに入るポケモン達の多くから自ら入っている者が見受けられる。
それは単に入らなければならないと義務付けられているのではなく、賛同しているから故だろう。

少なくとも人間とポケモンの関係が歪を帯びているとは到底思えない。


皐月はデパートらしき大きな建物を見つけ、好奇心のまま駆けだした。
しかし、それが間違った選択だったかも知れない。

「皐月!前見ろっ」


「えっ?・・・きゃあっ」

 
好奇心のままデパートに向けデパートだけに目を向けていて前を見てなかったことが事態を招いた。

転びこそしなかったが大きな背中にぶつかる羽目になってしまった。
皐月が驚き声を上げてその人物も気が付いたのだろう、ゆっくりと振り返るとその人物は20代ほどの金色の髪に漆黒のメッシュ入った整った顔立ちの青年だった。

「(わぁ・・・格好良いお兄さんです・・・はっ!そうじゃないですね!!)ごめんなさい、私の不注意でぶつかってしまって本当にごめんなさい!」

青年に目を奪われながらも皐月は何度もおじきをして青年に謝罪をしたのだった。









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