変わらないもの/後


「急かすな」

「だって…」

「最初は痛いかもしれないぞ。慣らしたとはいえ」

「いい……それでも。繋がりたい…クリス…すき…だいすき」

「私も…愛している。お前を、一番に…」

 もう一度キスを交わすとクリスはスラックスの前を寛げ自身を取り出した。そしてそこが充分な固さになるよう自分で擦る。

「ん…っは……」

 彼の自慰を見るのは二回目だった。 以前見たときは遠くから、手が動いている、というところを見ただけだった。
 しかし今は目の前で、それにクリス自身が固く大きくなっていくところまで見え、トーマスは他のことを考えず唯彼が自身を擦る姿を見ていた。

「こんな風に…なるのか」

「続きはお前の中だ。少し待っていろ」

 クリスは成長したそこに、隣にあった机の引き出しから取り出したスキンを被せた。

「それ、ゴム?」

「そうだ。これをつけないとお前が妊娠してしまう」

 本当に、クリスが自分の中に来るんだ、という歓喜と緊張で、トーマスの身体が少し強ばった。
 クリスは身体を起こして自分を見つめていたトーマスを再びベッドに寝かせた。

「力を抜け」

 つぷ…と先端が入り、トーマスの呼吸に合わせてゆっくりとクリスが入る。
 クリスがぐいっと一段階腰を進めたところで、弾けるような音と共に何かを貫いた。

「っあ…!」

「痛いか?」

「んっ…クリスが触って…くれたっ…から、そこまで…」

「中が広くなったな…」

「マ…マジか…?あぅっ…」

 クリスは広がって幾分か動きやすくなった中をゆっくりと一度かき回し、律動を始めた。

「あぁっ…あぁんっ!おっき…くて、熱っ…!指っ…と、全然っ!ちがっ…あぁっ!
あぁあ!」

「ふっ…トーマス……」

「あぁっ!あぁっ…んっ、んっ!」

 クリスはトーマスの身体を気遣いながら、小刻みに腰を動かす。少々痛みはあるものの入り口や奥で擦れるのが気持ちいい。
 何より、恋い焦がれた兄と繋がっている事実に歓喜する心が、トーマスに快感をもたらしていた。

「あっ、あぁっ…!あぁっ、そこっ、ヤバイっ!ああぁっ!」

「ここか…?…よく、締まっている…」

「ふぅっ!ん…んんっ…」

 トーマスがよく反応する場所を攻めつつ、クリスは身体を曲げトーマスの唇に口付けた。
 甘い声を上げ続ける口に舌を差し込み、くまなく愛撫し、手で律動に揺れる胸を揉む。

「んっ、んぅっ……んっ、んんーっ!」

 クリス自身を包む中が痙攣し、再びトーマスは絶頂を迎えた。クリスは動きを止めてトーマスの身体を抱き起こす。くたりと彼女の身体がクリスにしなだれかかった。

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