07


キラーさんと帰ればキッドが不機嫌そうな顔でたっていた。ローさんといるのばれてるよねきっと。怒られる前に仲間になる、と宴の食材を見せれば機嫌が直ったみたいで宴だ!と叫んで準備が急遽始まる。テディベアを部屋に飾って料理を手伝いできたのを血で運ぶ。キラーさんには私の歓迎会なのだから、と止められたがこの方が早いので準備する。そのおかげですぐに乾杯になり所々でわいわいと盛り上がり笑い声と歌、雄叫びと酒と料理が行き来と騒がしい。それが気にならないのは自分も盛り上がってるからだろう。

「おーい、てめぇらァ!!名前がやっと仲間になった。まぁ、仲間にならなくても奪ってくつもりだったが新しいルーキー、しかも悪魔。」

【うぉおお!!】

『悪魔関係あるのか?』

「これからもっと名があがるしまた海賊王に近づいた!!新しい仲間に新世界を見せてやろぜ!!」

【おぉおお!!】

「おら、なんか言え。」

『なんか言えってなによ。えーっと、もう分かってると思いますが私はこんな性格だし海賊には向いてないかもだけど戦いと航海にはまぁまぁ自信あるんでよろしく。』

【姉御ぉおお!!】

『いや、だから私年下…。』

「乾杯だ!!」

キッドの一言でもっと盛り上がる。楽しいが疲れる。盛り上がっていたがずっとこれは疲れるのだ。こんなテンションに慣れる日がくるのだろうか。とりあえずこっそり抜け出し端に座る。ばれたら主役が目立たなくてどうする!みたいな感じにキッドに絡まれるのがおちだ。あの人たちどこいても目立つけど私は小さいし多分まぎれるだろう。

「大丈夫か?」

『キラーさん。大丈夫ですよ。ありがとうございます。(仮面とってる!!目は前髪で見えないけど、なんか新鮮だな)仮面、いいんですか?』

「ああ、もう仲間だしな。結構前からつい外しそうになったが。名前の前だとつい気が緩む。うるさくて悪いな。でも海賊にとって宴は最高の儀式なんだ。皆歓迎してる。」

『わかってます。でもなんか、素直に喜んでいいものか。いや、嬉しいんだけどこんな大人数に囲まれるのは久しぶりで…。』

「なんで一人旅をしたんだ?」

『っあ、いや…私。聞いても暗くなっちゃうから。せっかく楽しい宴ですし!ごめんなさい…。」

「名前。」

クシャクシャ、と優しく頭を撫でられる。顔をあげると微笑んでいた。なんだか涙がでてくる。言わなきゃいけないのかもしれない。いつかはばれる可能性だってあるし取り乱すこともあるかもしれない。冷静をよそえなくなった時は私は迷惑をかけてしまう。1人でいれば虐殺したって泣いたって自分でどうにかすればよかった。でもこれからは違うんだ。それでも乗りたいと思ってしまった。誰かといるのはやっぱり楽しいから。私もキラーさんの横にいると落ち着くから。

「言いたくないなら言わなくていい。お前はもう仲間だ。なにがあっても見捨てない。」

『っキラーさん、私っ。』

「名前っ、その…。1人じゃないし何かあったら言ってくれればいいが酔ってるか?」

『…なんでですか?』

「抱きつくから。」

キラーさんを抱きしめる。そんなに変だろうか。こんな優しい人が殺戮武人と呼ばれているなんて。仲間には優しい海賊、それは海賊団によるけどここはきっといい海賊団。その言葉が嬉しかった。今なら素直になれると思った。でもなにか喋ったら泣きそうだから。

『…キラーさんがいい人ならキッドもきっといい船長なんだね。少し従う気になった。』

「まぁ、困る所も多々あるがな。ところで名前がここに入る理由は俺が気に入ったからなんだろ?そんなに抱きついていると俺も期待するが?」

『っごめんなさい。私そんなつもりでは、』

「くくっ、冗談だ。」

『もうキラーさん。自分だって独占欲だしたくせに。』

「まぁな。さっきみたいにいつも素直にしていたら可愛いのに。いつもも可愛いが。」

『キラーさんにが酔ってる!』

「くくくっ、顔赤いぞ。」

キラーさんもこうやって笑うんだ。出会いこそ最悪だったが仲間になってもっと距離が近づいた気がする。まぁな、しかし気まずい。可愛い、なんてさらっというもんだから。抱きついたのが自分からというのもあるけど。でもここで引き下がる私じゃない。やり返すのが私だ。

『…キラーさんだって私が気に入ったって言ったじゃないですか。』

「あぁ。」

『いやだから、そんなにあっさり返されても…。もう、調子くるうな。あああ、私何やってんだろ。酔ってないのにー。』

「照れる事ないだろ?」

『照れてません!!』

「おい名前!お前トラファルガーの所に攫われたって本当かよ。お前どんだけ捕まるんだよ。」

『あ、知らなかったんだ。いや、さらった本人がなにいっちゃってんの?あの海賊団もいい感じだったよ。クマ可愛かったし。』

「どこがだ。あんなつなぎに帽子に変な海賊マーク、趣味悪すぎだろ。トラファルガーはいけすかねえし。」

『きっとキッドには言われたくないと思うけど。大丈夫だよ、断ったし。』

「なにがだ。」

「誘われたんだ。俺の船に乗らないか、と。今後もさらわれる可能性はあるから気をつけろ。」

『はーい。』

「人のクルーに手ェだしやがって…、殺す!!」

いや、あん時はクルーじゃなかったし、とか聞いてないな。明日からもあっちも島にいるだろうし喧嘩にならなきゃいいけど。そうしたら私は知らんぷりして逃げよう。キッドはほっておいて酒をグビグビと飲むキラーさんの空のグラスにワインを注げばありがとう、と微笑んだ。これうまい、と言ったのが私が作った料理で嬉しくなる。お礼を言えば料理が上手だと褒められた。まぁ、1人で旅してたしね。

「そうだ、名前。ここのログが溜まるのは3日だ。もう日付またいだから明後日には出発だし、宴が終わって一休みしたら買い出しに行くぞ。」

『よし、キッドを破綻させるぞ!!』

「あぁ?んなのスリだろ。トラファルガーからスルか。」

「無理だろ。とりあえず名前は俺と行動することだ。トラファルガーがいるとしたら他のルーキーや海賊がいる可能性もあるからな。」

『キラーさんは心配性ですね。キッドの方を心配した方がいいんじゃないですか?』

「キッドはどうしたって騒ぎを起こすんだからほっとけ。それにキッドについて行って戦いになったら俺はきっと参加してしまうからな。そしたらきっと止めるのは大変だぞ。」

『キッドだけじゃなくてキラーさんが、か。私は逃げるからいいですよ。』

「でもそうしたら名前の買い物に付き合えないからな。名前といれば多少は我慢するさ。」

キッドと買い物よりいいか、と言うと怒られた。だって明らかに目立つ。まぁ、キラーさんと行くのもそうだけどまだローさん達にあっても昨日のやり取りを見る限り平和に収まりそうだし。とりあえず宴を楽しもうとまた乾杯した。

仲間になりました。
(海賊になっちゃった)




  
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