再開

さてさて、今日もとても天気がいいです。ってか暑っ!太陽が眩しい!地球温暖化って奴ですか、このヤロー。悪態をつきながらブラブラと道を探しながら歩く。楽しかったパーティーも騒ぎで途中で終わってしまった。だけど収穫もあった。

『屯所はどこなかなぁ。多分このへんなんだけどー、』

「屯所をお探しですか?制服でわかると思いますが真選組のものなんです。よかったら案内しますよ。」

『本当ですか?お願いします。』

「ええ、こちらにどうぞ。」

わぁお、私って本当に運がいい。そしてこの人いい人だ。いい人オーラがにじみ出てる、…地味だけどね。名前を聞かれたので自己紹介をすれば笑顔で返してくれた。山崎さんか、本当にいい人そうだ。地味だけどもね。屯所につくまで話をすれば色々話してくれた。向こうが名前でよんでくるので私もそうする事に。珍しい名前だしね。

「よく地味だって言われるんだけど観察だからこの地味さも丁度いいというか。」

『(仕事内容とか言っていいのかな)観察かぁ、楽そうで楽じゃない仕事だね。私の仕事もそんなとこ。大変だよね。』

「へぇーって、えぇ!!それって本当?!だって君女の子だし、なんていうか!」

『観察ってあれでしょ?情報集める的な、どっかに潜入したり変装したり。いつもやってるよ。パソコンハッキングとかね。』

「犯罪!!それ犯罪だから!警官の前で何言ってんの!?」

『嫌だなー。勿論許可は得てますよ。そういえば真選組からも依頼があったな。あの…、いかつい感じのお偉いさん。よく銃ぶっ放す人。』

「…松平のとっつあん?」

『あぁ、そうそう!あ、ここが屯所だね。凄い大きいね、結構立派だ。でもムサいね…うん。へー、武装警察真選組もなかなかだね。ムサいけどね。』

「ムサイを強調しないでよ!で、約束って誰なのかな?呼んでくるけど、俺。」

『あ、土方さんだよ。お願いしま、』

「えぇ!?副長!!名前ちゃん、副長と約束を!?あの副長が…。」

『ああ、あの人瞳孔開いてるし鬼の副長って呼ばれてるもんね。女との約束とか縁がなさそう。黙ってればカッコいいけど、なんというか。硬派っぽいよね。』

「まぁ、でも俺達の中ではマヨラーで鬼の副長というか、」

「誰が鬼だ!!山崎ィィ!!」

「え、ギャァァー!!」

退君、短い間だったけどお世話になりました。無念。あーあ、暇になったし携帯でゲームでもしようかな。屯所の壁に寄り掛かって携帯を出せば死んでないから!なんてつっこみがはいった。そんな元気あるなら攻撃をよければいいものを。

「ってか何携帯いじってんのォォ!!」

『いや、いいところでさ。ああ!おじゃまぷよめっ。あ、土方さんおひさ。』

「…誰だ?」

『うわー…、最低。わざわざ会いに来た女にそう言う事いう?』

「副長、それはないですよ。」

「いやっ!!見た事あるんだけど!なんつーか、なんとなく分かるような気がするんだけど!」

『助けてやったのに…。恩をあだで返すかお前。最低だわ、土方さん。結構あの後苦労したというか。面倒だったのに。』

「いや、スミマセン!!待って、思い出しそう!確か去年のマヨネーズで、」

『あれ!!超さかのぼったよ!!私たち出会ったの最近だよ!しかもマヨネーズってなんなんだよ。それで私にどんな苦労と面倒をかけたんだよ。逆に気になるわ。というか私結構派手な去り方した気がするんだけど。』

「何してんでィ、土方。頭かかえて。等々頭がいかれやしたか?…あり。どっかで見た顔ですねィ。」

「だよな!!総悟!!まじ思い出せなくてイライラするんだけどよ。」

『ああ、この面難しいな。連鎖をすればなんとか…。暇だしそろそろ帰るか。私帰っていい?だって思い出せないでしょ。ちょっとこれクリアしたいんで帰るわ。』

「いや!!もうすぐ、もうちょっと待っててくれ!」

「ここ!!ここまできてまさァ!ゲームしてていいからここにいてくだせェ!この中途半端に思い出せてる感じ、凄くイライラしまさァ。」

『ドレスもメイクもないからってそんなに出てこないとは。約束したのに…。』

「ドレス、約束…?あぁー!!てめぇあん時の!!」

『on the night of night.I’will never ever forhet.やっと思い出したか、ったく。頭かたいんじゃないの?記憶のう能力が衰えてるか。刀ばかり振り回してちゃこれからやっていけないよ。』

「あぁ、赤いドレスの。なんだか口裂け女みたいですねィ。気になっていたんですよねぇ、こんな若い女だったとは意外でさァ。あ、俺は沖田総悟ですぜ。以後お見知りおきを。」

『私は名字名前。どうも、沖田君。』

「俺の事は名前知ってるんだったよな。」
 
頷いて土方さんを見る。よし、自己紹介もすんだし一応会いに来るという約束も果たしたわけだ。少しの間沈黙が流れる。帰っていい?と私は携帯をしまう。どんだけ帰りてえんだよ!と土方さんが怒るが、だってやることないし。

「てめぇに用がなくてもこっちは聞きてぇ事があるんだ。ちょっと屯所まで来てもらうぞ。」

『てめぇじゃありません。しかも屯所に来てますけど。』

「チッ。じゃあ、」

「名前。なんであの夜あそこにいたんですかィ?あと屯所は屯所でも中に入ってく出せェ。あんた面白そうだしねィ。」

「おいィィ!!さえぎってんじゃねぇーよ!!!」

「土方さんがノロいんでさァ。何名前呼びで照れてるんでさァ、気持ち悪い。照れ屋か。」

『ってか君は初対面で呼び捨てかい?いいけどさ。』

「名前も総悟って呼んでくだせェ。俺あん時の去り方とかかっこよくて好きですぜ。ただの美人なんてつまんねぇや。色々腹の探り合いがしたいねィ。」

総悟が何故か土方さんにニヤリと笑った。眉間に皺がよってんぞ。総悟はなぜか私に懐いてくる。可愛いからいいけどこの子侮れなさそうだし。腹の探り合い、って言っちゃってるし。警察の勘、ってやつだろうか。同じ匂いがするんだろうな。

「まぁ、立ち話もなんでィ。中はいりやしょう。」

「てめーは何歓迎してんだァ!!泥棒かも知れねーんだぞ!!」

『(ってか泥棒ですけど)』

「土方さん。助けて貰ったのにそれはないんじゃないですかィ?わざわざ出向いてもらったのに。」

「そうですよ、副長。僕お茶でも入れてきますね。」

『あ、まだいたんだ。』

「ええェェ!!さっきからいましたよ!!酷くない!?僕達さっきまで結構仲良かったよね!」

「チッ、仕方ねえな。まぁ、話ぐらい聞いてやる。さっさと入れ。」

「クールきどってまさァ。」

『なんで上目線?ありえねー。』
 
「土方さん、シャイボーイなんでィ。察してやってくだせェ。」

『まじで、可愛いー。ぷぷぷ。』

「おいィィ!!聞こえてるんですけどォォ!」

『聞こえるように言ったんだよ。』

「エスゥ!!この子エスだよ!」

「いーですねィ、名前。一緒に土方のヤローを抹殺しやしょう。」

「お願いだから、タッグを組まないでくれ。俺の寿命が縮むから。」

土方さんはイジがいのあるヘタレで総悟は土方さんを抹殺しようとたくらむ生粋のドSだという事がわかった。総悟に関してはなにを考えてるかまだわからないけどもまぁ、仲良くやれるかもしれない。一番年が近いし波長が合うかも。

「で、なんであんなとこにいたんだ?ああ、そこ座れ。」

「あれぇー、名前ちゃんじゃないのぉー。久しぶりー。」

『あ、松平様。お久しぶりです。この前はどうもありがとうございました。(さっきまで名前忘れてたけど。退君に聞いといてよかった)』

「もうんな堅くなくていいってー。お父さんでもパパでもダーリンでも呼び方はいくらでもあるじゃないのよぅ。」

「なにセクハラしてんでさァ。」

「おじさんが悪かった。だからバズーカはしまってくれる!」

「総悟ォォ!!」

「近藤から話は聞いたってばさ。その子は無実だ、仕事上忍び込んだ。だから容疑は無罪だ、わかったらちゃんともてなせよ。幕府も御用達の情報屋だ。まぁ、山崎みたいに潜入とか色々やってるプロだ。あんな可愛い顔してやることやってるから。おじさんともやることやってるから。」

「そうなのか?まぁ、後半は嘘だとして。親父の勝手な妄想だとして。」

『ええ、後半は嘘です。(松平様ありがとう!!親指たててくれている。空気が読めたんだねあの人。最後の方セクハラだけども)』

「仕事って何やってるんでィ。本当に山崎と同じような事ですかィ?あいつの仕事地味ですぜ。あんたは結構派手だったじゃねえか。」

『まぁ、基本退君と似たような事だよ。どっか入って情報をききだしたり。違うのは私は素早い動きとか戦えないから変装してはいるって事。で、昨日はお嬢様。おかげで金持ちの御曹司名刺貰いまくりです。貢がせますよ、私!』

「それ元気に言うことじゃないからねい。まぁ、女の子は潜入の恰好でお金かかるからいいけどね。経費で落とされるとこっちも困るからして。でも化粧してないとやっぱまだ子どもだねぇ。おじさんはそんな名前ちゃんも好きだけど。うちの娘にならない?」

「あー、急にバズーカが打ちたくなってきやしたー。」

「総悟、打っていいぞ。セクハラだセクハラ。」

「や、待って!!ギャー!!」

『あ、そうだあのさ。問題も解決した所で1つお願いしていい?ちょっと道案内を頼みたくて。まだ江戸に来て数日しかたってなくてどこになにがあるかわからなくて。』

「まぁ、あんたには助けられたしな。あのパーティーも退屈だったしナンパも面倒事にならなくて済んだ。道案内位なら全然構わねえよ。他のはないのか?」

「じゃあ、死んでくだせェ。土方さん。」

「てめーにいってねえーよ!!」

「はいはい。で、どこですかィ?俺も付き合いまさァ。」

『ここに連れって欲しいの。』

辰馬に貰った名刺を渡す。【万事屋銀ちゃん】と書いてあるダサいネーミングの紙を渡す。ここに来た理由もこれが少しある。私が人に聞いて探すより警察に聞いた方が早い。無言のあと総悟に手を引かれパトカーに乗せられる。運転している土方さんはイラついているようだ。

『…土方さん眉間に皺が。私何かしたっけ総悟。』

「気にしねぇーでくだせィ。嫌いなんでィ、旦那が。」

『旦那?旦那って誰の事。』

「誰の事って、名前、お前こいつと知り合いなんじゃねえのか?なんでこんな奴とお前が。あんなむかつく天パ野郎。」

『(これ十中八九銀時の事だろうな)』

「まぁまぁ、土方さんが怒っても仕方ないじゃないですか。俺はそれよりチャイナ娘の方がむかつく。ほら、着きやしたぜ。」

『あ、ありがとう。チャイナ娘?というか本当にこんなネーミングなんだ。でかでかと看板がださいなぁ。まぁ、昔からセンスはなかったけども。』

「昔ってやっぱりあいつと、」

「あれー、大串君じゃない。何うちに何か用?お前らからだったら依頼は受付ねーからな。人んちの目の前にパトカーとめんじゃねえよ。なんか俺が悪い事したみたいじゃん。」

「大串じゃねぇ!!誰がお前なんかに頼むか。まだゴリラに頼んだ方がましだ。それにてめぇに用がある時はしょっぴく時だ。大体いつも悪い事してるくせになにをいけしゃあしゃあと。なんだかった公務執行妨害で今捕まえてやろうか、アァ?」

「はいはい。争わないでくだせィ、いい大人が。旦那ー、旦那にお客さんですぜィ。」

「は、客?これ以上むさくるしい奴らは見たくないんですけど。」

先に降りた土方さんが騒がしくその後ろに懐かしい面影。車から降りるとはっきりと懐かしいフワフワの銀髪が見えた。銀時がゆっくりと私に目線を向ける。死んだような目が驚いたように見開く。こういう時はなんと声をかければいいのだろうか。

『えーっと、銀時。久しぶり、でいいのか…?』

「…え、名前ー!!おまっ!!今までどこにいたんだよ!俺達がどんだけ探したと思ってんだ!居場所が分かったと思えばすぐに別の所に消えやがって手紙くらい寄こしやがれ!」

『痛いからっ。えっとー、ブラブラしてた。手紙…、ごめん。皆の住所とか知らないし。』

「ってかなんですかその格好は!ミニスカすぎます!!いや、銀さん的にはいいんだけど…。ってかなんで大串君なんかといる訳っ。」

「旦那、ちょっと落ち着いてくだせィ。とりあえずどっかで話やしやせん?」

「そうだな、とりあえず入れ。え、大串君も入るの?もう帰ったらどう?」

「俺は名前に用があるんだ。ちゃんと礼をしてねーからな。」

『わざわざいいのに。ここまで連れてきて貰ったわけだし、大丈夫だよ。』

「いや。近藤さんにも会わせなきゃだし。」

近藤さん、というのはたしか局長だったな。あの時のパーティーにもいたしそうか。顔出し位はしとかなきゃか。今後のためにもなるかもしれないしね。でも別に命を助けた訳でもないから特にお礼はいいのに。土方さんはただただ私と銀時の関係を知りたいだけっぽいしなにも言わないけど。ソファに座って真剣な銀時と向かい合う。

「名前、何か言う事は?」

『…ネーミングセンスないよね、この店。』

「そういう事じゃないでしょうがぁああああ!!」

『イママデフラツイテスミマセン。レンラクシナイデゴメンネ。』

「なんで棒読み!!それ全然反省してないって事だよね?謝る気ないよね?」

『ごめんなさいね!でも私だってね、仕事は忙しいは退屈しのぎに忙しいは、暇潰しに忙しいの。』

「忙しくねーだろォォ!!」

『うっさいわね、私がどう生きようが勝手じゃないの。子供じゃないんだし関係ないじゃん。あの2人みたいに世間には向かって危ないことしてないし。一番まともに生活してるのは寧ろ私なんじゃないの。ちゃんと幕府からの依頼で動いてるから給料も蓄えもある程度あるし。』

「ひひい、人の価値が金で決まると思ってんのかー。」

「旦那、声裏返ってますぜ。ところで名前と旦那はどういった関係ですかィ?」

「恋人だよ。」

『幼なじみ。何言ってんだよ、死ね天パ。』

「そういうとこかわらないね。銀さん泣いちゃうんだけど、ツンデレさん。」

『銀時は少し変わった方がいいんじゃない?昔より駄目人間になってるよ。』

「ただいまー、ってあれ皆さん。いらっしてたんですか。また銀さんなんかしたんですか?」

「悪ィ。邪魔してるぜ。」

「いえ、どうぞゆっくりしてください。なんかすみませんね。今日は何をしでかしたんですか?あれ、そちらの方は…、」

礼儀正しい眼鏡君。なんとなく退君と同じ感じだ。ペコリと頭を下げる。銀時と一緒に住んでるのかな。そのうしろからチャイナ服の女の子が現れた。総悟を見た瞬間嫌そうな顔をする。ああ、これが言ってたチャイナちゃんか。可愛い子だけどな。

「なんでサドがいるネ。」

「黙れチャイナ。こっちだっててめぇに用はねえんだよ。」

「あれ、本当だ見ない顔ネ。お前らにこんな綺麗な人の知り合いに居るはずがないネ。どっから連れ込んだネ。迷惑かけてんじゃねえぞ、男共。」

「依頼の方ですか?でもどうして真選組の方と?」

『初めまして、名字名前です。銀時がいつもお世話になってます。お邪魔しててすみません。』

「いえいえ、こちらこそ。ってか銀さんこの人は…?」

「銀さんの彼女だって。」

「旦那。いい加減にしなせィ。名前は俺の玩具でさァ!!」

『おい、私たち今日あったばっか。いきなりお前は何なんだ。というか銀時も懲りてないよね、それ。』

「時間なんて関係ないんでさァ。俺のS心に火をつけたんでさァ!」

『いつ!?さっき一緒に土方さん抹殺しようぜ、ってタッグ組んだのに!いや、組んでないけど。』

「…お前も大変だな。」

土方さんが哀れみの目線を向けてきた。いやだなぁ。というか自分の身の安全を感じてほっとしてる感じだ。総悟の悪戯の矛先が私に向いたとしても土方さんは狙われると思うけどね。2人と自己紹介をして色々聞くがここで働いてるらしい。え、ちょっと待て。

『銀時はプーでしょ?』

「おいィィ!!ちゃんと働いてますゥゥ!見たでしょうが看板。」

「なんでも屋とかつまりプーと一緒じゃねーか。何言ってんだよてめえ。」

「マヨラーにいわれたくありませーん。」

「マヨネーズなめんじゃねぇ!」

『…なんとなく察しはついた。銀時がスミマセン。』

「いや、うちのアホ土方も。」

「お互い大変ですねィ。」

『まったく、新八君…。面倒みてやって。』

「はい…。」

「名前は今日どうするんでィ。見た所昨日位に来たんですよねィ?泊まる場所とか決めてるんですか。」

『どうしよっかー。ホテルとか今からでも取れるのかな。江戸は大きな町だしなんとかなると思ってたんだけど。』

「ここに泊まるアルか?」

「真選組にきてくだせィ。」

「そうだな。近藤さんにも会わせなきゃいけねぇ。」

「駄目でーす。大串君になんかに渡せません。うちに泊まるんですー。」

「父親か!!てめーは!!こっちは礼がしてーんだよ。」

「サドには渡さないネ!!」

「上等でィ!!」

ギャーギャー!!とうるさい。私なんでここに来たんだっけ。とりあえずどっちも顔見せ程度に来ただけだからもう帰っていいんだけどな。うちに泊まります?姉上もいますし、という新八くんの提案にのりました。江戸は今日も平和で空は晴れ渡ってます。




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -