番外編2


ガサガサと朝から
なにが聞こえた。

そういえば総悟が最近
幽霊がでるとか言っていた…。
(しかも俺の部屋の前。)

いや、けして怖いとかいう
ワケじゃない。
鬼の副長とも呼ばれる俺が幽霊なんて
怖いワケないだろっ。

ガサガサ。

「…。」

いや、また総悟のイタズラかも
知れねぇし。
だ、だいたい今はもう朝の9時だ。
普通お化けってのは真夜中だろ?

あ、いやお化けじゃなくて
幽霊ってのは年中無休か!?
いや、それは幽霊も疲れるだろ。
(体力があるかしらねぇが。)

「とりあえず落ち着け!!
落ち着け俺!!」

とりあえず…。

「マヨネーズ王国の道をっ…。」

いや、怖いとかじゃないから!!
けしてんな事ねぇから!!

ゴンっ!

「!!?」

本当になんなんだ!?
こ、ここは調べる…べきだよな…?

ガラッ。

「…名前の部屋からか…。」

ガサガサ。

「…っ。」

開けて…いいのだろうか?
いや、そりゃ確かめなきゃだけどよ。
名前だって年頃な訳だし?

「っ。」

いやしかしだな。
もし幽霊でさっきのゴンが
幽霊VS名前の戦いで
部屋の中でまだ幽霊VS名前の
戦いがあったら!?

もし幽霊VS名前だったら…。

「いや、助けねぇと!!」

「…土方さん。何やってんでィ。」

「…総悟。」

よりによって嫌な奴に会ったァア!!
どうすんだよ!!幽霊の話とか
したら絶対馬鹿にされるゥウ!!

「いや、信じてる訳じゃねぇけど。」

「土方さん…。
覗きですかィ?本当に最悪な人でィ。」

「ちげえェエ!!
なにその近づくんじゃねぇよ、
的な目はァア!!」

ちげえよ!!
なんで覗きなんだよ!!

『人の部屋の前でギャーギャー
うるさいんだけど。』

「名前。土方さんが
覗きしてやした。」

「ちげえってんだろ!!
なんか音がしたからなに事かと
思ったんだよ。」

『あー。ゴン、って聞こえた?』

「あぁ。」

『実は押し入れに
昔の荷物を押し詰めたまま
だったからさ片付けしてたんだよね。』

「じゃあ押し入れに
頭打ったんですかィ?」

『そう。いやー、痛かった。』

「いや、むしろ俺が痛いわ。」

なんだよ俺。
1人なんか馬鹿みたいに
騒いでたじゃん。

なんか前のページめちゃくちゃ
無駄だったじゃん。
なんかすみません。

「で、なにか見つかったんですかィ?」

『うん。だからちょっと
出かけてくる。』

「「は?」」



『ってことでみてよ、銀時!!
小さい頃のアルバムが
でてきたの!!』

IN→万事屋。

「おー、また懐かしいもんを。
俺名前の小さい頃みてー。」

「わぁ。結構やっぱり古いですね。」

「銀ちゃんの小さい頃みたいネ。」

『わー。全然変わんない。』

「やっぱり名前は
可愛かったな…。」

『なんで過去形なの。
今は可愛くないってか。』

「いやいや。
名前は今でも十分可愛いぞ。」

『ありがとう…ってヅラァア!!?』

「ヅラじゃない桂だ。
お、銀時と高杉が喧嘩してる。
この後確か先生に怒られたんだったな。ざまーみろー。」

「うるせぇ!!
小学校か!!お前は!!
ってかなんで覚えてんだよ!!」

「あれもう一人男の子と
女の子が写ってますよ?」

「「『…。』」」

「うわー。テンション下がるわー。
なんでこいつらなんだよ。」

『モチベーション下がるわー。
なんで写真あんだよ。』

「懐かしい思い出だなー…。」

「桂さん。
懐かしんでるのは貴方だけです。」

「この2人誰ネ。
見たことないヨ。」

「そりゃ寺小屋にはこいつら
以外もいるさ。」

『そりゃそうだ。』

4人だけとか虚しいだろ。


「なんだっけ?
成田太郎とハム子だ。」

『ちげえよ。ハム子じゃねぇよ。
なんで男の方はあってたのに
ハム子だけ適当なんだよ。』

「いや、思い出せなくて。」

「ハム子ってあのハム子アルか?
あの金髪でぶっさいくなハム子
アルか?同級生だったアルか?」

「ふざけんな。
あんなのと同級生だったら
俺ァ登校拒否してやる。」

「銀時。そうやってお前が
苛めるからハム子は相談室いきに
なったんだぞ。」

『だからハム子いねぇよ。
北島花子でしょ?』

「ハム子…花子…。
なんだ。似てんじゃねぇか。」

「ってかどうみても写真はハム子よ。
ハム子の小さい頃ヨ。」

「…いやー。
似てる人っているんですね。」

「この2人浮いてたよなー。
まず名前が太郎と花子って
時点で古いよな。」

「銀時も古いだろ。」

「小太郎に言われたかねぇよ。」

『2人とも浮いてたし古いよ。』

「で、この2人なにかあったん
ですか?」

『苛められた。』

「え?名前さんが?」

「ちょっとそいつ殺ってくるネ。」

『大丈夫。やり返した。
倍にして★』

「さすが名前ネ。」

「あれ、名前さん。
写真の天使の笑顔が悪魔に見えて
きました…。」
 
『ふふふ…っ。』


「太郎が花子の事好きで
花子は高杉が好きだったんだよな?」

「そうだな。
だが高杉は名前にベッタリ
だったからな。」

『晋助は何気に面倒見が
いいんだよー。
で、花子に嫉妬されてー。』

「女嫉妬は怖いネ。
なんか昼ドラみたいで楽しいネ!!
その話もっと聞かせてヨ。」

『えっとねー。
私がまだ小さい時だよなー。』

「そういえば名前さんは
年が離れてるのに一緒に
勉強してたんですか?」

『いや。まだ私はやっと喋れる
くらいだったから端でお絵かき
とかしてた。』

「名前は静かだったから
別に邪魔ではないからと
先生がおんなじ部屋にしてくれたんだ」

「だったな。
冷めた子だったなー。本当に…。」





「名前ー。
なにかいたんだ?」

『何も。
ただ黒く塗りつぶしてた。』

「…。もうちょっと
可愛いもんかこうぜ。」

『お絵かき飽きた。』

「高杉。飽きたそうだ。」

「俺に言うな。あァ…。
そういえば折り紙があったよなァ。
名前。それで遊べ。」

『名前、鶴しか作れない。』

「逆にすごくね!?
この年で鶴作れる事も
鶴しか作れない所もすごくね!?」



「…。ほら。」

『雪ウサギー。
ありがとう晋助。』

「あァ…。」

「高杉くん!!」

「「『げ。』」」

「ここ教えて欲しいんだけど!!」

「…ヅラに聞けよ。」

「桂くん今鶴頑張ってるし。
そんな子は天パにまかせましょ。」

「おい。天パはいいが
名前はそんな子じゃねェ。」

「おい。天パもよくねぇよ。」

「花子。そんな目つきの悪い
男のどこがいいんだ!!
名前ちゃんといる時点で
絶対ロリコンだぞ!!」

「「た、高杉がロリコン(笑)」」

「お前らだって名前と
いるんだからァ。
そのまま自分に返ってくるぜェ…。」

「太郎黙ってよ。しつこいのよ。
私の気持ちもわかりなさいよ。」

『なんで晋助の気持ちは
わからないの?
あんただってしつこいじゃない。』

「「「「…。」」」」

『銀時ー。みてみて。
雪ウサギー、できたー。』

「お、おぉ!!さすが名前ー。
まじ天才じゃね?」

「口の方もなァ。ククッ。
本当にお前は期待を裏切らねェなァ。」

「女の子なんだから
もうちょっとやんわり言いなさい。
でないと女の嫉妬を受けるぞ。」

『しっと?』

「女の嫉妬はこぇぞー。」



「高杉くん!!
私の事うざいの!?」

「あァ。」

キッパリ。

「…高杉。ものには
言い方ってもんがな。」

「もうちょっとやんわり言いなさい。
オブラートに包んで。」

『オブラートってまずいよね。
名前この前薬飲むとき
オブラート「名前。
ちょっと折り紙してよっか。」
黙れ、天パ。』

「(泣)」





「ってな感じでー。」

『晋助って鬼畜だよね、って話。』

「違うだろ。」

『あぁ。私が初めて雪ウサギ
作れた話?』

「いや、違うだろ。
ってかあのあと太郎と花子は
付き合ったらしいが…。」

「へぇ。一件落着ですね。」

「どんだかなぁー。
あのあと太郎は名前が
好きとかいう噂もあったし。」

『えぇ!?
私雪ウサギめっちゃ作ってたよ。
あのあと。』

「どんだけ作るんですか!?」

「なんでも太郎はロリコン
だったらしい。」

「なのになぜ花子を好きに
なったんでしょう。」

『世の中不思議だね…。』

「「「「だな…。」」」」



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