混乱


さて、久しぶりの登場ですが…。
私…病気かもしれません!!

「名前。風邪って本当か?」

『わからない。時々動悸が激しく…。』

「病院行った方いいんじゃねぇか?」

『いや、まだ書類は沢山あるし…。
潜入の仕事もやりたいし、
夏に行けなかった、銀時の家に泊まる
のも今日だし…。』

「…なんか大変だな。」

『う゛ー…。』

「名前。あいつの家行ってきて
いいぞ。仕事は山崎にやらせとく。」

『でも…。』

「ゆっくり休め。あいつの家で
休めるかは微妙だが…。」

ポンと頭に手を置かれ上を見ると
トシが微笑んでる。

ドキッ。

『(またドキドキしてる…。)
で、出掛けてくる!!』

「?おう。」



なんなんだろう!!
病気か!!こんな事今までなかったし。
妙ちゃんにでも相談を!!

ドンっ

『たっ〜。ごめんなさい。』

「大丈夫ですかィ?」

『あ、総悟。うん、ごめんね。』

「顔赤いですぜ。やっぱり熱が…。」

『…なんで私が風邪って事知ってんの』

「俺の情報網をなめてもらっちゃあ
こまるぜ。看病と見せかけて名前
を苛めようと…。」

『…。なんかつっこむ気も
おこらないわ。』
 
まったくこのサドは…。
年中無休だな。


「あり。本当に重症ですねィ。
熱は…。」

『!!?』

ピタリと手をくっつけられる。
ヤバい。体温があがってきた。

「名前。病院に、名前?」

『ぎ、銀時の家に行ってきます!!』

「病人が走んなって…聞いて
ねぇでさァ。」


バンっ!!

『ぎ、銀時…。』

「うおっ!!なにお前!!どうした訳?
泊まりにくるのは夕方だったような。
まぁ、大歓迎だけどって…。」

『…死ぬ…。』

「お前!!具合悪いなら走るなよ!!
大丈夫か?よっ。」

『ぎぎぎぎぎ銀時!!』

「ぎ、いーすぎだろ。」

なんで私お姫様抱っこされてんの!!
有り得ない!!恥ずかしい!!

『降ろして!!』

「何恥ずかしがってんだよ。
昔はよく抱っこしてやっただろ。」

『昔でしょ!!何年前だよ!!』

「病人は黙ってなさい。今銀さんが
お粥作ってやるから。」

『…ん。』

「寝るまで隣にいてやるから。」

『うん…。』

「なんなら添い寝してやっても
いいけど。」

『死ね。ってか動悸がするだけで
病気じゃないと思うし。』

「なんだよ。先言え。じゃあ何?
元気な訳ですか?」

『まぁ…。』

銀時の所にきて安心したからか
さっきのドキドキはおさまった。
しかしなんで銀時にもドキドキ
してんだか…。

ドキドキ…?あれ?

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「元気なら出掛けんぞ。」

『は?』

「神楽たちが帰ってくる前にな。
たまにはぶらつこうぜ。」

『うん…。』

このドキドキって…?
あぁ。混乱してきた…。


「あー。久しぶりのパフェだー。」

『何杯目?』

「5杯目ー。」

『糖尿病になるぞー。
あ、もうなってるかも。頭も
ホワホワだし。』

「天パは関係ないでしょー!!
もうなってるとか恐い事言わないで!!」

『あはは。』

「…やっとらしくなってきた
じゃねぇか。」

『…ありがとう。あのね、銀時。
銀時の初恋って「ブー!!」汚っ!!』

「変な事聞くからだろォ!!
ななななに!!ここ恋しちゃった訳!?」

『わからない。だから聞いてるん
じゃん。』

「相手は?大串くん!?総一郎くん!?
銀さんはどっちも認めません!!」

『総悟ね。で、どうなの?』

「んー。その人といて安心したり
ドキドキしたり、楽しかったり。」

『うん…。』

「いつもいたいって思ったり
他の人といる所をみると嫌な気分に
なったり。」

『…恋ってめんどくさいね。』

「おいィィ!!恋してる人に失礼だろ!!
ってか名前!お前は本当に女か!!
普通そういう話に…。はぁ。」
 
『いや、ため息つかれても困る
んですけど…。』

「いや、俺たちと過ごしたし
仕方ないのかもな。」

『そうだね。』

「否定して(泣)」


まったく、なんで俺がこいつと
見回りなんか…。

「なんて顔してんでィ。土方さん。」

「てめーが見回りをサボっから俺が
ついてく羽目になったじゃねぇか。」

「俺のせいにしないでくだせィ。
まったく。」

「いや、100%お前のせいだからな。」

そういえば名前は大丈夫だろうか。…なんで俺は最近名前の事
ばっかり。

「土方さん。」

「あ?」

「きっかけなんかなくても人は
いきなり落ちるもんですぜ。」

「…なにに?」

「ほら、昔から言うでしょ。
恋はするもんじゃなくて落ちるもんだ
って「うおっ!!」

目の前のゴミ箱につっかかった。
なんで動揺してんだよ…。

「ありー。図星ですかィ。ぷっ。」

「総悟ォォ…。」

「土方さんには。」

ピタリと止まって振り返った
総悟は真剣だった。
ゴミ箱を直して向かい合う。

「…土方さんには負けやせんから。」

「はっ。上等だ。」

こいつには負けたくねぇ。
負ける気もしねぇ。

カチャ

「へ。」

「って事で死んでくだせェ。」

ドカーン!!

「あぶっ!!てめ殺す気か!!」

「殺す気でさァ。あ、名前。」

「あ?」

「で?」

『でって?』

「誰に恋した訳?」

『それがわかったら苦労しない…。』

「…はぁ!?お前、自分の気持ちだろ!!
あー。意味わかんねぇー。」

『だってさぁー。あー。
もうめんどくさい!!』

「名前ー。」

『総悟。』

「風邪は?」

『トシ。風邪じゃないみたい。』

「「は?」」

「…恋の病だとさ。」

「「…誰に!!」」

だからそれがわかったら苦労しない。
というか私は本当に恋をしているのか。

『…。』

いたとしたらこの3人なんだろう。
あぁ…。混乱してきたァァ!!

「とりあえず旦那。」

「俺たちは負けねぇからな。」

「譲りませんぜィ。」

「…はっ。臨む所だ。名前。
帰るぞ。」

『…うん。』

なんなんだろう?とりあえず私には
男という経験がなさすぎなんだよ。

「まぁ、待てよ。そうわかって
名前を渡す訳にはいかねぇな。」

「土方と組むのは嫌でィ。
でも、真選組と場所は一緒だし
仕方ねェでさァ。」

「おいィィ!!」

「名前、先帰って『私、妙ちゃん
の家行ってくる!!』

「「「は?」」」


妙ちゃんならなにか言ってくれるかも。


『と、いうことです。』

「恋ね。」

『…やっぱりィィ!!』

でも誰に!!ってか好きとわかったら
私はどうしたらいい訳!!
告白するのか!!あー!!潜入なんか
してないで青春しとけば…。

「名前ちゃん。人話を
聞きなさい。」

『うん。こんな事初めてで…。』

「名前ちゃんの好きな様に
しなさい。その人といて幸せに
なれるなら私はそれでいいと思う。」

『幸せ?』

「えぇ。自分を助けてくれて
相手の事も助けてあげたいし傍に
いてあげたいと思う人の所に。」

『私は…。』

私は誰といたい?誰を助けたい?
誰といて安心する?誰といて笑顔に
なってる?

「名前ちゃん。」

『妙ちゃん。ありがとう。
でも恋ってこんなに簡単になるもの
なの?』

「恋はするものじゃなくて堕ちるもの
だも。ふと優しくされたり傍にいて
くれたりするとときめくものよ。」

「お妙さん!!じゃあ俺にもときめく
ぐはっ!!「黙れゴリラァァ!!」

『…ははっ。』

なんだかわかった気がする。
恋とか動悸とか色々考えるのはやめよう
私がいたい人の所にいけばいいんだ。

『妙ちゃん。行ってきます。』

「頑張ってね。」
 
さぁ、あの人の元に…。



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