神のイタズラ
神はなにを思ったのか今日私に運の悪いことばかり運んできた。朝から転ける、雨ふる、遅刻しかける。金落とす、弁当忘れる、金落としたから買えない。ブルーな気分な私に先生は漫研という意味不明な部活にプリントを届けろと言い出した。
『職務乱用、生徒を使うなっての。ってか誰もいないし…、プリントどうすんのさ。』
「…あ。」
『…あ、えっーと浅羽くん。』
「えっーと、名字さん…。」
『(名前、知ってたんだ祐希くんの方だよね、多分)あのこれプリント渡してって言われてるんだけどもしかして所属してたりするかな?』
「あー、うん一応。帰宅部状態なんだけどね…。じゃあ貰っときます。」
『うん、わっ!』
床に散らばっていた漫画に躓いた。その拍子に花瓶を倒した、零れた漫画が濡れた。本当になにこの不運!ってか帰宅部状態の場所に普通花瓶置くか!?ってか漫画かたせよ!
「…俺の漫画っ、」
『(お前かよ!)…すみません。弁償します、』
「なんでそんな呆れた顔してるんですか。」
『いやちょっと朝から色々あって…。朝から転けるは!(省略)』
「それはまぁ、大変ですね。というか弁償だけ?」
『今の話を聞いてそんな事言う!?こんな私にどうしろと!!』
「んー、一緒に買いにいく。その漫画を、」
『いや、1人で行きます。』
「えー、ケチ。」
そんなデートみたいな事したら浅羽ファンクラブ的なものに敵視されて私の人生はもっとブルーになるじゃないか!!ってか神様!!私がなにをしたって言うんですか!これ以上面倒事は御免だ。さっさと帰りたい。
「まぁまぁ、いいじゃないですか。ほら、早く行きますよ。」
『いやいや、何気に強引なんだね浅羽くんって。離せよう!!嫌だ!!これ以上不運にさせないで!!』
「大丈夫大丈夫。レベルアップすれば自然にラッキー数も増えてくるからね、いけるいける。」
『どこのRPG!?』
「これ以上不幸な事しか起こらないって。落ちたとこまで落ちたよきっと。これからいい事ありますよ。」
『これから漫画を弁償するのにいいことなんてある訳ない!』
「名字うるさいよ。」
ぐいぐいと手を引く浅羽くんはなんだかいつもより楽しそうに見えて。まぁ、漫画買うくらい付き合ってあげるか、とちょっとこんなハプニングをしでかした神に感謝。こんな日もたまに悪くない。
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