感電注意!

彼は電波っぽいな、とたまに思う。人間ラブ!と叫んでいた時もこいつ頭おかしいわ、とは思っていた。けどその矛先が自分に向いたとなるともっと怪訝な目でみたくなる。

「ねぇ、名前ー。このあと一緒にどっか行かない?池袋もいいけどシズちゃんに見つかるとめんどくさいし新宿に行かない?」

『行かないよ。臨也とはつるまない。』

「なんで!」

『あんたのせいで人間関係がめちゃくちゃになるからだ!平和島に、黒バイクにダラーズ。近づかない方がいいってのは前から暗黙のルールだったけどそこに私の名前も追加されたんだから!!』

「へぇ。殿堂入りおめでとう!」

それ意味違うし。私四天王とか興味ないし。あー、普通の一般人だよ私は。平和島さんみたいな怪力も臨也みたいな電波ってかネジ一本どころか五本位ぶってんでない。黒バイク(たしかセルティ)みたいに首がない妖精でもない。普通の女だから。

「俺に好かれた時点で君は普通じゃない。もう危険人物の仲間入りだよ。」

『喜べない。ってか臨也が私に惚れた要素がわからないもん。』

「え、知りたい?そうだなー、まず外見ってのもあるけど。まぁ、そんなのは二の次で色々面白いから、かな。君は人より感情に敏感だ。だが俺が予想している展開とは逆にいく。人間って面白いよね。だから俺は人間が好きだ。だから名前がどういった行動をするのか興味がある。」

『…それ私じゃなくてやっぱり人間が好きなんじゃない?』

「人間という君が好きなんだ。観察してどういった行動をとるか興味がある。俺の側にいればいやでも面倒事に足を突っ込む事になる。だから引っ付いてるんだよ。あ、超怪訝な顔ー。」

怪訝な顔にもなるだろう。こいつの言ってる事はいつもずれていてわからないが今日は一段とわからない。やっぱり電波なんだろうな。それ以外になにがあるのだろうか。人間観察じゃないか。愛じゃないよそれ。

「なんか感想とかないわけ?こんなにも俺のあつい愛の告白にさぁー。」

『…どうも。』

「つまんないの。まぁ、そんな所も面白い。名前、君って本当に面白い。」

『つまんないのに面白いって矛盾してる。あぁ、臨也はいつも矛盾してるもんね。今更か。』

「そうやって面と向かってズバズバ言うところも好きだな、俺。」

名前ラブ、とかほざいた事をぬかしやがったからため息をついた。が、息が漏れる前に唇が塞がった。臨也の整った顔が目の前にあるフリーズ。なにが起こったんだか。

「…キスぐらい目を閉じないとモテないよ。まぁ、モテない方が俺としてわ、って名前。おーい。」

『…。(キスされた、え、誰に。電波臨也だ。まてまて。私の唇こいつに奪われたぞ、殴れよ私。いや、体動かないんだし。なんだよこれ。なんかビリビリするんですけど)』

「名前?」

『…電波。』

「は?」

『最悪だ。』

「えー、酷い。」

多分あんた電波だから私感電しちゃったんだと思う。あぁ、どうしよう。責任とってこのフリーズがら解いてください。キスされて嫌じゃなかったなんて誰が思うか。それって私も好きってこと?認めたくなくて逃げ出したいが体が動かなかった。





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