05

ザワザワと騒ぐ教室。隣の名前はいかにも緊張してます、って感じで俺(学校では男)は1-A組に入った。自己紹介をして指定された席へすわるがなんだか女子の視線が凄い。昨日のハンカチの方だわ、とかHPをみたら2人ともホスト部に入部されたそうよ、不良系ですって、とか色々聞こえる。確か部のHPは双子がやっているはずだ。こういう時だけはやる事が早い。

光「名前は僕の隣で、」

馨「複主2の名前は僕の隣だよ。ちなみにハルヒは名前の横。」

1『やった、後ろみれば複主2の名前横向けばハルヒ喋り放題だね。』

2『名前、ハルヒは真面目だから。授業中寝てる名前とは違うの。邪魔すんな。話しかけんじゃねえぞー。』

1『複主2の名前だって授業聞いてないじゃん。それに知り合いがこんなに密集してるなんて奇跡に近いんだから仲良くしようよ。』

光「嫌でも放課後会えるけどね。じゃあ僕らと遊ぼうよ。」

馨「そうそう、庶民の生活にも興味あるし。」

いいよー、と気楽に笑う名前。授業きけよ。桜欄は頭いいんだし大丈夫だろうか。まぁ、そんな俺も聞く気ないけどね。そんなこんなでボケーッと授業を過ごしたがなんとなく内容はわかっていた。能力的なもんが上がっているんだろう。トリップ効果万歳と思い早い段階でペンを放り投げる。そんな感じであっという間に放課後になってしまった。

2『名前の馬鹿。だから職員室はあっちって言っただろ。地図がでかすぎんのも悪いが現在地がわかんないのに進むなよ。もう部活遅刻だな。あ、馨からメールだ。どうせ名前のせいでしょ?早めにきてね。了解、と。ばれてるねぇ。』

1『なんでうちのせいってわかってんの!?あ、うちは光から。明日学園の地図あげるよ。地図ぐらいわかるよね?持ってるから!だから現在地がわからないの!』

2『はいはい。学園が広いと部活にくんのも疲れんなぁ。すみません、遅れまし…た。』

1『キャー!!南国だ南国!』

【いらっしゃいませ。】

光「おー、やっときた。」

1『ちょっと、光さっきのメールどういう事「迷ってたんでしょ?」ま、まぁね。誰かナビとか用意してくんない?』

馨「複主2の名前も大変だね。ハルヒも抜けてるし名前のお守りあるし。そんな所悪いけどもうすぐクリスマスパーティーだよ。」

クリスマスパーティー。この南国の暑い中にミスマッチな単語。なんだそれめんどくせ、と思った時に後ろから環先輩がキラキラと向かってきたので気づかれないうちにさっさと逃げる。名前に衣装を自慢しているようだがあいつはハニー先輩可愛い!とかいっている。衣装は可愛いが上半身裸は微妙だ。俺はチラリズムがいいなと思う。

「「殿ふられてやんのー。」」

環「名前は可愛い系が好きなのか!?俺だってなぁ「殿より僕の方がいいよね?名前。あんなうざいナルシより。」

1『まぁ、環先輩よりは光の方が。ってか2人とも接客は?うちさっきからあんたらと話してて雑用してないから鏡夜先輩が怖い!初日なんだからさ。』

2『ねぇ、馨。これってどうやって着るわけ?合ってんのかってかおもー。じゃらじゃら装飾品つけすぎだろ。』

1『複主2の名前似合ってるー!!いいなー。私も着たいんだけどー。』

馨「ちょっと!!そんな露出したらバレるよ!!ほら端行って!!めんどくさいって顔しない。初日からばれてもつまんないよ。」

環「可愛いぞ!!名前にもちゃんと用意したぞ。この俺とお揃いのを着てきなさい!ハルヒは着てくれないし…。」

1『うちもきていいの!!わーい、はい。働くから睨まないでください!(鏡夜先輩こわい!!)』

光「着方のわからなかったら聞いてよね。とりあえず着替えて働かないと。本当に鏡夜先輩がきれるから。」

馨「複主2の名前はいいよ。暴れないでよ。くれぐれもバレないようにね。」

大丈夫だと思うけど、とりあえずお礼を言って鏡夜先輩の所に行けばにやりと笑われた。似合ってるじゃないか、と言われるがなんでこの人の褒め言葉は素直に受け止められないのか。日ごろの行い?そんなことが顔にでたのかボードで叩かれた。酷いなぁ。まぁ、素直に受け取っておこう。指名だ、と言われたテーブルには見た事のある女の子がいた。誰だっけこの子。

「あ、あの複主2の名字くん先日はハンカチを有難うございました。これ洗いましたのでお返ししますわ。それと名前で呼んでもよろしいですか?」

2『あぁ、この間の。そんなのよかったのに。こっちこそ変なとこ見せて悪かった。大丈夫だったか?呼び方はなんでもいい『複主2の名前ー、みてー。着てみたんだ。』おー、似合ってる。可愛い可愛い。』

1『なんかその格好(男装)で言うとタラシみたいだね。優しい不良きゅんって感じ。』

ハ「衣装着たんだ。物好きだね…。」

2『名前より絶対ハルヒの方が似合うのに。なんで着ないの?絶対可愛いからみせてよ。』

【キャアー!】

埴「えー、名前ちゃん可愛いよ。ちょっと幼く見えるけど似合ってるよ。」

1『ハニー先輩っ、ありがとうございます。えへへ、似合ってますか?嬉しいなぁ。』

2『ハニー先輩。名前がこれ以上幼くなったら大変ですよ。『複主2の名前!どういう意味かなー。』そのままの意味。』

「仲がよろしいのね。お2人は前も同じ学校だったんでしょう?ハルヒくんとも仲がいいですしお家も近いのですよね。」

「羨ましいですわ。私たちもっと複主2の名前くんについて知りたいですわ。ハルヒくんと仲いい姿は絵になりますから楽しいですけど。」

2『そうか?仲は普通だと思うけど。姫たちとも仲良くなりたいから色々教えてよ。あ、紅茶おかわりいる?雑用、紅茶。さっきから喋ってないで働け。誰のせいで借金だっけ?誰がぶつかってきたんだっけ?』

1『喜んで働きます!』

それでいいんだよ、まったく。仕事をしろ。なんとなく女の子たちの扱いにも慣れあれからハルヒが春日姫に気に入られ名前がハニー先輩と遊んでて鏡夜先輩に借金倍増にしてもいいだろうか、と聞かれたので、その分俺の分減らしてねと言っといた。そしてミーティングにいたるのだが。

環「納得いかん…!」

1『まだ怒ってるんですか?もういい加減機嫌直してくださいよ。』

光「そうだよ殿。プランの最終調整手伝ってよ。」

馨「まぁ、殿がやらなくても複主2の名前が機械強くて打つの早いからPCのデータは任せてるけど。」

埴「名前ちゃんも頭いいから計算早いしねー。大助かりー!!PCもできるし、あれれ。たまちゃんのやる事ないねぇー。」

銛「…あぁ。」

環「モリ先輩まで!俺はどう考えても必要だろ!!光、馨!!名前と複主2の名前にベタベタするな!!近いぞ!そして照れてる名前は可愛いが全く気にしないのもどうなんだ複主2の名前。少しは恥じらいを学べこの不良娘!」

いちいちきゃあきゃあ言ってらんないしこの双子はどういう反応をするかをみたくて色々やるわけだ。名前のように過剰反応していたら奴らの思うつぼだ。手を動かしてください、という俺の言葉を無視して騒ぐ環先輩に鏡夜先輩がきれた。それに落ち込んで構ってほしいオーラを出すが勿論俺とハルヒは無視している。

1『これ終わったら構ってあげますからちょっと待っててください、ね?』

環「名前優しいのはお前だけだ。お前たち!!お客様といい春日姫といいなにが悲しくて女にモテモテにならねばいかんのだ!名前を見習え名前を!お父さんはな、この頃のお前がみたいんだよぉお!!」

ハ「人の写真を勝手にひきのばさないで下さい!」

1『ハルヒ可愛いー。』

環「複主2の名前にいたっては1度も見たことない!それにハルヒ以上に男が定着しているだろ!ここは一度可愛い格好をして女心を取り戻そうではないか!俺のためにも!」

馨「僕もみたーい。」

2『めんどくさーい。環先輩のためとかやる気が起きないし。それに見せてないだけで女心ならちゃんと持ってます。家に帰ったら女の恰好してますから大丈夫です。』

環「なんだと!家に連れてけ。」

2『嫌です。』

ハ「俺としては男にみられても別にいいですけどね。楽だしね。」

2『だよなー。俺もどうでもいいし。そんなことより仕事したらどうっすか。』

環「おかあさーん!ハルヒと複主2の名前が汚い言葉を使うよー!!しかも家で女の恰好してるとか意味ない行動をしてるよー!呼んでくれないしっ。」

馨「お母さん?誰?」

鏡「俺かな…、なんとなく。」

光「意外と女の子に夢見てんだー。名前まで変わったらどうなるんだあの人。」

馨「そういえば複主2の名前はダンスで入ったって聞いたけど2人とも社交ダンスの経験は?パーティーじゃ必須だぞ。」

2『社交ダンスは俺の専門外だからやったことない。俺はソロで踊れる専門だかんな。』

ハ「いや、パーティーはノルマに関係ないし…。」

環「…よかろう!!そこまで男の道を歩みたいなら是非協力させて頂こう!!」

2『いや、そこまで歩みたくはない…。ってかハルヒも名前もダンスとは無縁なんだけどなぁ。ハルヒにいたっては本当に絶望的だしな。』

光「そうなの?名前はなにげにできそうだけど。」

すみませんっ、と謝ってる名前と焦るハルヒに多分俺が教えるはめになりそうだな、とため息をついた。まためんどうな事が起きそうだ。今なら女の子になるという事で許してやろうと偉そうな環先輩にだけはなんか従いたくないし社交ダンスはやってみたかったので丁度いい。帰ったら動画でも見てみようと思い環先輩をシカトしてPCの画面を見た。



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