02

光に包まれ眩しい、と思い反射的に目をつぶりに複主2の名前!と叫び手を伸ばしたら動きづらいだろ、と払い落とされた。酷いと思います。心細いのに。眩しい光はやっと終わり目を開ける。目がチカチカする。複主2の名前の方も眩しそうに目を細め次第にイライラし始める。

2『名前、やっぱり神とかいう変人殺さない?なんなのあいつよ、姿見せずに。ここどこ、結局迷子じゃない。』

1『で、でもさ!!トリップかも!!確実に白いあの世界からはでたし。』

2『…名前。頭大丈夫?打った、打ったのか?私はあれを夢だとしか思っていない。とりあえずここはどこかなー。いいよ、一億歩譲ってトリップだとしても、』

一億歩ってもはや譲ってないんじゃないかな?神だって家ぐらい用意してるでしょ。それに1人じゃなくてよかったじゃん、と欠伸をしながら。説得力にかける気が…。まぁ、複主2の名前がいるならまだ大丈夫だ。ここが桜蘭の世界なのかちょっと信じがたいという複主2の名前の気持ちは凄くわかる。が、目の前からハルヒが走ってきて私たちの名前を呼んだところでじわじわと実感がわいてくる。どうしましょう!

ハ「ここにいたんだ。今日引っ越してくるって言ってたから迎えにきたんだ。」

1『(複主2の名前!いつの間にハルヒと知り合いだったわけェエ!?うちにも紹介してよね!!)』

2『(しらな!それに名前の事も呼んでたでしょ!つまりハルヒはうちらを知ってる?)』

1『(とりあえずおお、落ち着こう!)』

2『(お前がな)ハルヒ、ちょっと待ってて。名前がフリーズしてるから。』

1『まじでトリップだよ!まじで桜蘭だよ!ハニー先輩ィイ!!どうしよ、やばい。私第二の人生謳歌してもいいですか。』

2『小声で叫ぶな、気持ち悪い。とりあえず本当に桜蘭の世界みたいだし、それにハルヒはうちらの事知ってる。って事はハルヒについていくしかないか。友達みたいだし。あ、電話。名字。』

なぜいきなり名字呼びなんですか!?ってか電話通じんのかよ。だって世界違うよ?神だ、と嫌そうな顔をする。罰があたるよ。複主2の名前の携帯に耳をつけて話を聞くとハルヒとは幼なじみで中学の途中に転校したが戻ってきてハルヒの家の隣に引っ越した事になってるという設定らしい。ややこしい!!部屋は右と左で真ん中にハルヒ。挟む感じか。

【桜蘭高校に明日転校する予定だ。家の家賃や光熱費なんかは全部任せなさい。食費とお小遣いで毎月15万円位送るからさ。足りなくなったりしたら電話しなさい。無駄遣いはしないように。あとは任せるよ、じゃ楽しんでー。】

2『15万か。来てよかったかもしれない。こうなったら楽しむしかないかも。ハルヒ、待たせてごめん。』

ハ「ううん、2人とも変わらないね。身長伸びたくらいかな。」

1『(ハルヒはまだダサい眼鏡のまんまだね。まだホスト部所属前か雑用係りか)髪切っちゃったの?勿体無い。その眼鏡とかせっかくの可愛い顔が。』

ハ「うん、でも洗うの楽だよ。本当に2人が桜蘭に来てくれてよかった。皆価値観が合わなくて大変なんだから。ここがうちでそっちとこっちが名前と複主2の名前の部屋みたいだよ。ダンボールきてるから自分の荷物の方が自分の部屋かな。」

2『あ、こっち自分の荷物だ。じゃあハルヒの家の右がうちで左が名前の家だね。ガスとかもうとおってるのかな。』

ハ「うん、全部手続きは終わってるみたい。あ、お父さんが夜ご飯うちで食べてけって。久しぶりに話したいし。2人が隣に越してきてくれて嬉しいよ。またよろしくね。」

2『ハルヒ可愛い!名前なんか目じゃないよ。』

それ失礼だから。勝てるとも思ってないけど。って事でハルヒ家でご飯を頂いてます。ハルヒのご飯スッゴい美味しいよ!!と言えば可愛い笑顔が返ってきた。2人とも綺麗になってー、とハルヒパパが褒めてくれるが名前ちゃんは可愛いままね、ってどうせガキっぽいですよ。わかってるよ!ガキじゃん、という複主2の名前にハルヒが相変わらず冷たいね、と言ってくれる。そうだそうだ!

2『ハルヒに言われたくない。あ、蘭華さん手続きありがとうございます。これから色々と迷惑かけると思いますがよろしくお願いします。ほら、名前もぼさっとしてないで挨拶くらいしなよね。』

1『よ、よろしくお願いしますっ。』

蘭「複主2の名前ちゃんはしっかりしてるわね。お母さんみたいで安心だわ。そういえば奨学金の特待生って1人じゃないの?」

ハ「なんか自分が入って周りにもいい影響とかあるとかなんとか。だからまた入れようって。入学テストで名前は点が凄いよかったとか。まぁ、元々頭よかったもんね。複主2の名前は技術面でって先生に聞いたけど。」

1『技術面?複主2の名前なにしたの?』

知るか、と言う彼女。そりゃそうだ。私だってテストなんて受けた覚えもなければこんな私立に受かるほどの頭はない。皆の器に野菜いためをついでる複主2の名前はまさにお母さんだとか思ってたらピーマンをどっさり入れられた。こりゃ、ないでしょ。ハルヒの話だと芸術面は美術で絵、体育で新体操。創作でダンスなどだそうだ。

2『ほら、私そつなくこなす器用な子だから。ということは勉強はそこまで期待されてないわけだね。ラッキー。』

1『なんかズルい!私は勉強で受かったのに。(実際やってないけど)あれ、蘭華さんは?』

ハ「電話だって。ねぇ、2人とも。朝は一緒に行けるけど帰りは一緒に帰れないから先に帰ってくれる?」

2『ごちそうさまでした。ホスト部でしょ?「なんで知ってるの!?」可愛いハルヒをこき使うなんざ許せないよねまったくね。私が言ってあげるから安心して。』

1『逆に安心できないから!!止めようか複主2の名前!貴方がでてくるとややこしいし皆が怪我とかしますよねっ!その笑顔が逆に怖いから。』

2『まぁまぁ。ごちそうさまでした。じゃあ荷物ほどいて部屋片付けるわ。蘭華さんにもよろしくね。』

ハ「あ、うんねぇ、複主2の名前。本当に『私が負けると思う?』いやその逆でやりすぎが怖いんだけど、名前止めてよ。」

1『無理に決まってる。』

ちょっと脅してやるだけじゃん、というが明日が怖いしホスト部が心配だ。でも桜蘭に通うのは楽しみだし皆と仲良くなれればいいな。荷ほどきが全然終わらないし急に部屋に1人というのは少し不安で複主2の名前に電話したが忙しい、ときられてしまった。可哀想な私。かまってくれてもいいのに。その日は不貞寝してやった。




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