07
さて、買い物から帰ってきた次の日ですが、気分はハイですよ。いや、エースってセンス何気に(酷い)いいね。可愛いよこのネックレス。しかし自分になにも買わなかったなんて私は馬鹿だ。もう一度行きたい、という私にまた機会はあるよとボリスは慰めてくれる。帰りのHR中にこそこそと喋っているけど皆騒がしいし大丈夫だろう。そして何人かは教室にはいない。いつも席がかけている事は日常的だ。なぜだろう。

「まぁ、買い物はテストが終わったら行けるから。あと魚ありがとうね。生ものくれた時はびっくりしたけど。」

『エースとさまよってしまったからこれ以上鮮度は落とせないと思ってね。帰れてよかったよ。テストが終わったらか。じゃあそれまで働きまくってナイトメアからがっぽりお金を稼ぐわ。』

「いや、テストって言ってるじゃん。少しは勉強した方がいいんじゃないの?」

『…テスト?テストってあれですか。100点とか赤点とか範囲とかとにかく面倒なペーパー的なってかペーパーテスト的な?』

「的なじゃなくてそうだよ。」

『…え、だって銃弾飛び交う世界でしょ。留年とか当たり前なんでしょ。』

「銃弾飛び交うけど一応学校だから。それにあんたは留年したくないんだろ?だったら点数は取っておいた方がいいぜ。」

『なんだそれ。んな所だけ真面目にやらなくても。…まぁ、勉強しなくてもいっか。こんな世界に来てまでそんな事する気にならないなぁ。ボリスもしないんでしょ?』

「まぁね、面倒だし。」

暇なのかペンをくるくると器用に回すボリスが勉強している姿は全然見た事がない。まぁ、猫だし彼が必死になって勉強する姿なんて想像できない。しかし学校だってことを忘れていた。まったく、誰だよテストなんか考えた奴は。人間中身だぜ。皆頭良さそうだし、留年してるって事は何度もその勉強をやってるから私不利なんじゃ。HRお終わり席を立ちあがる。

『ねえ、皆やっぱり頭がいいの?留年してればそれなりに理解できるよね。』

「この教室の状態見てわかるだろ。基本全員集まらないから。皆学校より寮の方の仕事ばっかりして争ったり色々してるからね。それといつの間にか死んでたり。」

『こわ!それ学校の意味あるの?前から思ってたんだけどこの学校広いけどそんなに留年してたらいつか満員にならない?』

「その分減ってるから大丈夫だよ。」

『うわー、聞きたくなかった。じゃあ、私が不利って事はないのかな。ほら、皆点数いいと平均点もあがるじゃん。』

「んー、どうかなぁ。ピアスみたいに馬鹿な奴もいればブラッドさんみたいに頭のいい人もいるからね。まぁ、テストを受けるって事自体あの人の場合しないかもしれないけど。それに俺だってあんたがいるから今はこうして教室にいるけど前はほとんどいなかったんだぜ?」

『今もいない事多いじゃん。いても寝てるか私に構うかで。授業なんて聞いてないでしょ。』

「別に必要ないしね。俺は卒業したい訳じゃないし、行きたい場所に行けるから。あんたも卒業なんてしなくていいよ。」

『それは駄目。でも、そうか。日ごろの事を思えば皆もそんなに勉強してないってことだよね。じゃあ、私もそこまで重たく考えないようにしよう。』

「そうそう。授業とテスト受ける時点で偉いって。」

『いや、それは普通だよ。でもとりあえず勉強してるフリをするわ。グレイとかうるさそうだし。』

「確かにね。俺も帰って銃の解体しようっと。」

銃の解体とか聞きたくなかったわ。寮についてボリスと別れる。あまり勉強する気はないしこの学校の規則に関しては緩いとこみると案外いけるんじゃね?と自分を過信する。グレイも仕事優先にしてくれたりして。でもあの人お父さんっぽいからなぁ。まぁ、帰って部屋に引きこもり遊ぶか仕事をバリバリしてバイト代を稼ぐか。と、思ったら背後から声をかけられた。

「おかえり名前。君を待っていたんだ、勉強するぞ。それからお土産ありがとう。」

『あぁ、いえいえ。それじゃあ、またお土産を買うためにお金を貯めなきゃなので私バリバリ働くから。それではー、』

「その前にテスト勉強だ。真面目なのに君は周りに流される所があるからな。あのチェシャ猫と一緒ならいつかサボり癖がついてしまいそうで心配だ。今のうち勉強しておきなさい。」

『日本人は流されやすいんです。周りの意見に従ってしまうんです。』

「だったら俺の意見に従ってもらおうか。」

『はい、お父様。…はい、グレイ!了解です!(こ、怖い。無言で見つめられた)でもいいの?私にかまっていたらナイトメアはさぼっちゃうよ。』

「ナイトメア様が名前を見張るように言ったんだ。まぁ、俺も最近は君に仕事を頼んでばかりだから勉強の時間がとれているか心配だったしいい機会だと思ってな。」

『それ、絶対グレイを私にやって自分はサボろうっていう魂胆だよ。』

「大丈夫だ。そう思ってナイトメア様に見張りをつけた。あの方にもしっかりやってもらわなきゃいけないからな。」

その通りだ。あー、でも勉強は嫌だ…。しかしグレイがみている。こんな素敵な先輩の前でぐだぐだ文句も言ってられん。自分の部屋だと色々誘惑が多いのでいつも仕事する部屋にきて教科書を広げる。なんだよこの方式。数学なんて足し算引き算わり算掛け算ができれば生きてけるよ。電卓使えばいいじゃん。唸る私にグレイは飲み物をもってきてくれ近くに座る。

「名前。勉強が苦手なのか?」

『苦手ですよ。それにこっちの勉強と前の勉強って少し違うとこもあるし。習ったのもあれば習ってないのもあって、』

「そうか。そういう点では転校生は大変だな。俺でよかったら教えようか?」

『…いいの?』

「あぁ、君さえ良ければ。そのためにきたようなものだしな。言っただろう。最近は仕事ばかりさせて申し訳ないと思っているんだ。俺でよければ力になろう。」

『じゃあ頼みます!!なぜ数学はあるのでしょうか?』

「…そうだな。」

『(え、いや冗談で言ったのに…。んな深く考えるなんて。いい人だ、可愛いな)』

「俺の意見だが人は日常をどんどん楽にしようとするからじゃないか?数学なんかがあると効率がいいしな。」

『…ははは!グレイっていい!可愛い!!真面目に答えるなんてっ。』

「…?」

『さて、問題集からやろっかな。』

「そうだな。」

グレイがわざわざ見てくれてるし頑張るしかないよな。あー、今頃ボリスは銃の手入れでもしてんだ、ズリー。少しページをやって教科書を放り投げる。もう嫌です。といえば困った顔のグレイが早いな、とため息をつく。だってだって、意味わからんもん。あと少し頑張ろう、と励ましてくれるグレイの教え方は上手だが頭がパンク寸前だ。ソファにだらける私の所へ今度はナイトメアがやってきた。

『ナイトメアいつからそこに?逃げ出してきたのか。駄目じゃない、ちゃんと勉強しないと。』

「サボり真っ最中の君にいわれたくないな。それに見張られてるぐらいなら名前と一緒に勉強した方がマシだ。それでどこがわからないんだ?」

『喜ぶ所なんだか違うんだか…。今よくわからないとこは中学で習ったとこなんだけど私中学の時授業きいてなかったしなぁ。特に英語。あ、私謎なんだけどさなんで英語教師って皆キモイの?なんか英語の発音下手だし。』

「それは学校によると思うが…。」

「グレイのいう通りだな。」

『そっか。ってかもうやる気ないー。多分勉強しなくてもいけるって。』

「曖昧だな…。それに今の現状をみていける、と思える君は凄いよ。」

『いや、もう充分頑張ったから。テストなんかぶっちゃけ山があたるとかあたんないとかの運でしょ。鉛筆でも転がそうかな。』

「運頼みにする位なら勉強しなさい。あぁ、そういえば名前。」

『なんでしょ、ナイトメア。』

「お土産を買ってきてくれたのは有り難いんだが…。まぁ、私のお金だが。」

『もう、お礼なんかいいってー。』

「いや、私の金だからな。いや、これは嫌がらせか?なんでグレイは万年筆で私のは花の眼帯なんだ!!」

『可愛いでしょ。』

「可愛いすぎるわ!!」

つけられるか!とぶつくさ言ってるナイトメアをほっとく。実際嫌がらせのなにものでもないし。酷い、といつもの如く血を吐いたナイトメアにグレイが背中をさする。そしてナイトメアがもっていたその花の眼帯をみて固まる。まぁ、グレイの好みではないよね。シンプルでカッコいい万年筆にしてよかったわ。

「…可愛いな。」

『まさかの可愛い物好き!そのギャップがまたgood!』

「私の時と反応がちがくないか!?」

『なに、眼帯がそんなに嫌?グレイが褒めてる代物だっ手のに我儘だな。だってナイトメアに万年筆あげても仕事するの?』

「さぁて、眼帯をつけるか。」

『まぁ、早い切り替えだこと。つけなるなら写真撮らせてくれ。皆にくばるから。』

「名前。こことここ。」

『間違ってる?』

「いや、そこ以外間違ってる。」

『ほとんど全部じゃん。やべえじゃんか。焦ってきたけど…もういいや。前日にやる!!問題集も間違ってるけどなんとかやったし。グレイありがとう!』

「いや、俺はいいがいいのか?」

いや、だって皆勉強のレベルが高いよ。いきなりこんなの押しつけられても。大体私は自分のみあった学校に入学したってのにこんなことに。もし万が一赤点をとっても追試でま逃れれば留年はないだろう。一応提出物だけやっとけばなんとかなる。そうだそうだ、ということで買い物のため仕事の方をやる。こっちの方がまだ楽しいんだけど。次の買い物ではなにをかおっかなー。あれも欲しいこれも欲しい、

『ってな感じで勉強しませんでした。』

「大丈夫じゃね?俺もしてないし。」

『ボリスって勉強してないって言ってるけどバリバリ勉強してるタイプでしょ!』

「なんだそれ。本当に何もしてないって。ピアス追っかけてたし。ほら、今通ったけど包帯巻いてただろ?昨日は張り切りすぎちゃって。楽しかったからあんたも来ればよかったのに。」

『うん。本当だ。可哀想だからやめなよ!!』

「えー。あ、そういえば赤点は夏休み補習があったような。」

『え、』

「でも追試をクリアすればいいだけだし。」

『そういうの先にいってよ!うわっ!留年にならなければいいやー、とか思ってたけど私の夏休みがっ。やばいー、焦ってきたぁ。』

「今更だろ。まぁ、頑張ろうよ。」

『やる気まったく見れないんですが。』

「だってないし。」

あくびをかいている猫はほっておいて待っててね私の夏!と意気込んでテストを受けた。が、数日後返ってきたテストは見事に赤点だった。そりゃそうだよね、勉強しなかったし。まぁ、ボリスもいるならと思ったら奴は満点をとっていた。何故だ、やっぱり勉強してたのか卑怯な奴め。してないよ、と私のテストを見て苦笑いするボリス。勉強教えてあげようか?なんてむかつくセリフを吐いた。


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