※快斗目線


「紅子、どういうつもりだよ」


「あらいけないの?私が彼女に関わること」


「…………」


「……ずいぶん鋭いのね」


紅子は妖しく笑う
こいつはいつもこうだ



「私はただ、なまえの美しさに魅せられただけ……ただそれだけよ」


「なまえのこと…」


「それ、聞く必要があるの?
 私があなたと同じ意味でなまえを好きだと言ったら、別れてくれるの?」


「……別れない」


「でしょう?
 それに、私はなまえをどうこうしたいなんて思ってないわ
 ただ、あなたがなまえを泣かせたり、傷つけたりしたら……許さないわ
 余計な詮索はしないことよ…」


紅子がどんな意味だとしても、なまえを大切に思っていることは分かっている
自分が一番と言った感じの紅子が誰かに執着するなんて、不思議な感じだ
どちらかといえば、執着される側なのに

そんな紅子を見て、芽生えたこの感情は……
まるで、それは紅子が仕掛けた黒い罠

紅子が残した黒い罠はどんどん俺の心を黒く染め上げていく

なまえを一番に独占したいなんて、そんな欲望が俺を支配していった