※青子目線

「おはよう、なまえちゃん、快斗」

「おー」

「快斗、青子ちゃんせっかく挨拶してくれてるのに…
 おはよう、青子ちゃん」


快斗と買い物をしたあの日、なまえちゃんに会ってしまった
実際は約束して会っていたとかじゃなくて、たまたま途中で会って、合流した感じだ
それでもなまえちゃんにとっては言い訳に聞こえるかもしれないよね

私だって彼氏が他の子と歩いてたら、やだ

でも休み明けから二人の様子がいい方向に変わった


「快斗はいつもそんなんだから私気にしてないよ
 ありがとう、なまえちゃん」

「ううん」


なまえちゃんは明るくなった
元が暗かったわけではないけど、殻に籠っている感じはあった
感情を隠しているような…そんな感じ

でも、快斗に対してすごく色々なことを伝えるようになったと思う
いつもは聞き専だったのに、気が付いたら快斗とお話していても5:5の割合になっている

それと同時によくなまえちゃんが告白されるようになった
放課後呼び出されるとなぜか快斗がなまえちゃんを連れて一緒に向かったり…
噂だとなかなか諦めない人がいると目の前でキスしているらしい
よくなまえちゃんが機嫌が悪い時は大体それである


「快斗となまえちゃんは本当に仲良しだね」

「あら、私となまえの方が仲良いわよ…
 何せ、同じベットで寝た仲だもの…」

「紅子お前…」

「心配しなくても、手は出してないわよ
 出すつもりもないし」


なまえちゃんは2人の会話の意味がイマイチよく分かってないらしく、困った顔をしていた
なまえちゃんかわいいなあ

私はなまえちゃんには敵わないよ


紅子ちゃんと快斗がまた言い合いを始めたのを見て、私はなまえちゃんに手招きをした
その様子に気づいた二人が私の方を見た


「いつも思っていたけど、私たちが目を離した間に…」

「青子がなまえを連れて行ってるんだよな」


まさかの私が標的となった
二人からの小言を聞きながら、ふと平和だなあと思った