※黒羽目線


「あなた、呪われたいの?」


久しぶりに町中を歩いていると紅子に会った
そして、突然投げかけられた言葉が冒頭の台詞である


「私、言ったわよね?
 “ただ、あなたがなまえを泣かせたり、傷つけたりしたら……許さないわ”って」


紅子の口ぶりを聞く限り、なまえから話を聞いているらしい
関係ないだろと言おうとしたら、紅子が「関係ないなんて言わせないわ」と先手を打った


「少しでも悪いと思っているなら、きちんと謝りなさい
 ……もっと早くお互いの気持ちを伝えあうべきだったわね」


そうだ、俺となまえは伝え合うのを忘れていた
好きとか嫌いとかじゃなくて、もっと深い想いを伝えあっていなかった


「チャンスは1回。
 なまえからあなたに電話がかかってくる
 それを逃したら、あなたはもうなまえと別れることになる」


紅子はそれだけを言うと、反対方向に歩き出した
忠告は聞いておくべきだろう、紅子の占いは当たる
臨海学校の時も…なまえの存在に気づいた


「つーか、探偵の身体が縮んでることをなまえに言っちまったな…
 後でそっちも謝りに行かねーとな」


数分後、紅子からの予知通りに、なまえから電話がかかってきた