待ち合わせ場所に着くと、快斗はなんか怖い顔をしていた
またコナンくんと会っていたことを怒っているのだろうか
このままじゃ、冷静に話ができないんじゃないか…と私の中に不安が生まれた
その時、快斗が私に気づいた

強張っていた顔が少し和らいだ
でも、なんだか悲しそうな顔をしていた


「快斗…遅くなってごめんね…」

「俺も今来たところだから…」

「そっか」


なんか暗い雰囲気が漂ってる
そりゃあそうだよね…私はもう気にしてないけど、この間けんか別れしてた


「電話でも言ったけど話があるの……大事な話
 あのね…」

「待ってくれ」


私の言葉の続きは発されることなく、止まった
快斗は私の肩を掴んで、距離を縮めた
突然の事で固まっていると快斗が口を開いた


「この間はごめん
 あと……俺ヤキモチ妬いてた」

「わ、私も青子ちゃんにヤキモチ妬いてた
 だって、青子ちゃん私よりもずっと快斗のこと知ってる
 そんなのずるい、勝てっこない
 競争すること自体間違ってるかもしれないけど…!」


一度、止められた言葉が止まらなく溢れ出す
私は、青子ちゃんの立場になりたかった
幼馴染なんて、私は敵わない
快斗が私の事を好きだと言ってくれても、もやもやしてしまうんだよ


「この間、青子ちゃんと快斗をみた時、ドロドロっとした黒い感情が流れ込んできて、すごく自分が醜く感じて……嫌で嫌で
 でも、気づいたの。それが恋することなんだって…」

私の目からは涙が零れ落ちた
自分で言うのもあれだけど、まるでそれは宝石のようだった
私は石にでもなってしまったのかもしれない


「好き、快斗
 私は快斗のことを誰よりも好き
 だから、青子ちゃんに嫉妬するし、負けたくないって思うの」


快斗が真っ直ぐな目を向けて、私の想いを聞いてくれた
汚くても、もっと早く伝えなければいけないことだったんだ


「汚くない
 お前が汚いなら俺も一緒だ
 なまえに男が言い寄らないように眼鏡ずっとかけさせたり…したし」


私はその言葉に首をかしげる
確かに付き合ったあたりに快斗に眼鏡似合うからずっと眼鏡かけててくれみたいなことを言われた気がする
ただ、眼鏡フェチなのかなと思ってたし、私も眼鏡外して外を歩くのはあんまり得意じゃなくて、そのまま眼鏡にしてたけど…


「快斗……私、快斗のこと汚いって思わないよ
 だって…そう思うのは普通だって教えてもらったの
 だから……私はどんな快斗でも好き
 独占されたって構わない」

「ありがとう、なまえ
 俺も同じだ」


快斗が私をぎゅっと抱きしめた
私が背中に手を回すと距離がゼロになった
快斗の心臓の音が伝わってきて、思わず笑うと、快斗に笑うなと怒られた
それでもまだ笑っていると快斗が突然私から離れた
首をかしげているとまた引き寄せられて、唇にキスをされた


ああ、キスで黙らせるってこういうことなのか