「蘭ちゃん、ありがとうね
 私、ちゃんと気持ち伝えてくる
 えっと…その、蘭ちゃんも頑張ってね」


私がそういうと蘭ちゃんの顔が赤く染まった


「も、もう、名前ちゃんったら!」


「えへへ、ごめん
 また、今度ね」


「うん、またね」


私は蘭ちゃんに背を向けて、歩き出した
携帯を取り出して、快斗に電話を掛ける
ちゃんと言わなきゃ、今すぐにでも


《なまえ!今どこにいるんだ?》


突然叫ばれて、驚いて目を見開く
こんなに動揺している快斗は初めてかもしれない


「米花町だけど…」


《また…あいつと会ってたのか》


「それが理由で来たわけじゃないよ
 あとね、快斗。
 私、大事な話があるの。
 今から会えない?」


自分の唾を飲む音がひどく耳に響いた気がした。