■ 桜の下の嘘と確信C
「ウーム…ゴミ箱から見つけた財布はこの4つだけかね?」
目暮警部の質問に哀ちゃんが答える
「ええ…私が調べたゴミ箱から回収し始めたって業者の人がいってたから…」
その時、ジョディさんが青い財布を指さして、「あ!その青い財布は私のよ!」と言った
目暮警部がジョディさんも容疑者の1人だと言うと、それを聞いた子どもたちが否定した
ジョディさんにはアリバイがある
私たちと一緒にずっと一緒にいたはずだ
「となると…殺人犯は」
「残る3つの財布の持ち主の可能性が高そうですね」
「お!この黒い財布の持ち主は分かるな」
黒い財布には運転免許証が入っており、それは見知った顔だった
さっきジョディさんたちに声をかけて来た風邪をひいている男性だ
別の財布も子どもたちが関わった人の持ち物らしく、子どもたちが探しにいった
子どもたちには高木刑事も一緒についていったし、きっと大丈夫
しばらくすると、財布の持ち主の3人を見つけたらしく、子どもたちが戻って来た
3人のポケットには黒く塗りつぶされた5円玉が入っていた
新一たちと離れて3人のボディーチェックの様子を見ていると、女の人が「私、脂性だから携帯べたついてるけど我慢してよね!」という声が耳に届いた
「ん?ジョディ先生、何かに気づいたの?」
「いや…前に君が録ってくれたビデオに映った男を思い出したのよ…
ホラ、病院に潜入していた組織のスパイを割り出すためにわざと携帯を落として拾わせたでしょ?
最初に拾った男が脂性だったなーって…」
私はそれに聞き入る
私が知らなかったことが今語られている
どうして、今まで新一や赤井さんに詳しいことを聞かなかったんだろう
何かあったことには気づいていたはずなのに
「結局次に拾った男がスパイで最後のおじいさんはペースメーカーをつけてて…
そしてその携帯をシュウが…」
「ね、ねぇ!そんなこと今は関係なんじゃない?!」
新一が焦ったように声を荒げた
聞かれたらまずい話なんだと思う
私じゃなくて、バーボンや組織の仲間に
バーボンはなぜかベルモットと組んでいるようだし、いつどこにいるかわからない
もしかしたら、今すぐ側にいるかもしれない
「そうね、ごめんなさい…
あの火傷の彼がシュウじゃないと分かって動揺しているみたい…」
「どうしたの?声を荒げちゃって…」
「あ、いや別に……」
ああ、もっと早く真実を聞くべきだった
そうしたら、私はこの事態の深刻さに気づくことができたのに
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