■ ギムレットF
「名前!」
焦ったようにベルモットが駆け込んでくる
安室さんが私を先に助けに来たということになっている
「ベルモット…大丈夫だよ…」
「どれほど心配したか…!」
血の跡が私の近くに残っていた
ギムレットは赤井さんたちが連れて行った
どうなるかはわからないけど、組織に消されるとかはないと思う
「バーボン、ありがとう」
ベルモットがお礼を言ったので、安室さんは少し驚いているようだった
ジンや他のメンバーもぞろぞろと集まって来た
私の手に持っている銃を見て、ジンが顔を歪めた
ああ、持ちっぱなしだった
「何があった」
「ギムレットに捕まって……反撃しようとしたけど、逃げられたの」
私は嘘をついた
安室さんも付け足すように僕が来た時にはもう逃げられていましたと言った
「……チッ、ギムレットの行方を捜せ
あの土竜を殺してやる」
しばらく行方をくらませていたから、土竜なのかな
ジンたちは安室さんとベルモットに私を任せるとそそくさとどこかへ行ってしまった
「名前、帰りましょう
バーボン、名前は私が送り届けるわ」
「分かりました。後は任せてください」
ベルモットは私の肩を抱くとゆっくり歩き始めた
床にあった血だまりが妙に生々しかった
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