■ 緋色の真実B

あの後、私は新一の家に泊まった
帰ろうと思っていたのだけど…ジョディさんから色々質問されたり、新一からも発砲について聞かれたり……色々あって帰るのは無理だった


「赤井さん、帰るね」

「まだ昼だぞ…早いな」

「安室さんところ行ってくる」


赤井さんは表情をそこまで変えないものの、ちょっと嫌そうだった
昨日色々あったし、私が関わるのはやっぱり嫌なのかもしれないな


「今日は2人でゆっくり過ごせると思っていたんだがな……」

「え……!」


赤井さんがそんなこと言うのは初めてで、私はビックリして、声を上げた
表情を見る限り、冗談ではないのかな…?


「そ、その……夕方にまた来ます…
 ご飯食べましょう」


これは今日も帰れないなと思って、家に一度戻ろうと決めた
着替えとかを持ってこなきゃ


「帰る時に連絡をくれ…迎えに行く」

「は、はい」


赤井さんは少し嬉しそうだった
ずっと今までは言わないんじゃなくて、言えなかったのかな




ポアロに入るとお店は空いていた
ラッキーだ、いつもならこの時間は混んでいる

安室さんは私の顔を見て、一瞬表情を歪めた


「今日は安室さんに用があったんです、ちょっといいですか?」

「少し待っていてください、もう上がるので」

「はい」


しばらくすると安室さんが私の席にケーキと紅茶を持ってきてくれた
お金はいらないと言われて、断ったけど、結局おごってもらうことになってしまった


「安室さんは私がずっと探していたスコッチが言ってた人なんですよね?」

「ああ……」

「会えてよかった、ずっと会いたかったんです
 ふふ、安室さんって私に少し似てるってスコッチが言ってたんですけど、本当ですね」

「昨晩の件、組織の人間には言わないのか」


笑っている私とは対象に安室さんは怖い顔をしていた
私は首を横に振った


「言いませんよ、だって私も組織に怒られそうだし……
 安室さんも私にとって守りたい人の1人なんです」

「……本当に君はキティにそっくりだ」


ふわりと微笑んだ安室さんを見て、私はこれが本当の安室さんなんだなと同じく、微笑み返した


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