■ 緋色の真実@

「このカーブを抜けたら200メートルのストレート…
 5秒間ハンドルと速度を固定しろ…
 このくだらないチェイスにケリをつけてやる」

「了解!」

「っていうかあんたどこで何やってたのよ!
 何で車に乗ってるの!?」

「全て思惑通りだよ…あのボウヤのな」

「コナンくんのこと?」

「ああ…俺の身柄を抵抗なしで確保するには俺とつながりが深そうなお前らのどちらかを拘束するはず…俺の死について不審感を持ち始めたジョディならこの来葉峠にくると的中していたよ」


キャメルさんが200メートルのストレートが見えたと掛け声をかけた
私はジョディさんのポケットからそろりと拳銃をとりだした
ジョディさんって赤井さんと似てる2人して、同じところに銃隠してるんだもの


「名前!?」

「ジョディさん、少しだけ貸して」

「何言ってるの…!あなた撃ったことあるの!?」

「ハワイで親父に教わったんだ………なんてね」

「え?」

「…私の親友の真似です」


今まで特に何かを撃つ機会なんてなかったし、誰にも言ったことはなかった
これも私が大切な人たちを守るための一つの武器


「名前、タイヤの左を撃て」

「いいの、シュウ!?」

「俺は名前を信じている」


二人で銃を構える
動いたものを撃ったことはあんまりない
組織に関わることはあんまりなかったものの、たまにそういったちょこっとした体験はしたことがあった
まるで、何かから自分の身を守れるように教育されているようだった


「3…」


キャメルさんのカウントが入った


「4!」

「ぶ、ぶつかる!」


バンッと銃声が鳴った
私の銃弾はギリギリタイヤに当たった
赤井さんはピンポイントだったと思う


「よくやった、名前」

「は、はい!」

「追ってこないってことは振り切ったようね…」

「キャメル戻れ…」

「りょ、了解!」

「ちょっと…嘘でしょ!?」


私の心もジョディさんと一致していた


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