■ 緋色の疑惑H

薄暗くなってきたころ、ジョディとキャメルは車の中に乗り込んだ


「ら、来葉峠?
 赤井さんが奴らに殺された場所に今から行くんですか!?」

「ええ……行けば何かがつかめる気がするのよ……きっと何かある

「そういえば、赤井さんあの時缶コーヒーを落としたとか言ってましたよね…
 やっぱり疲れてたんですかね…?」

「……そうよ!きっとあの時…シュウは指先を透明な接着剤か何かで両指をコーティングしていたのよ。だから、缶コーヒーを落としてしまったのよ!滑りやすくなってしまっただけにね!
 そうしていれば……コナンくんの携帯に指紋を付けずに済む…」

「じゃ、じゃあ……携帯についていた指紋は……?」

「その前に手に取った楠田陸道の指紋よ!」

「ってことはつまり……あの遺体は楠田陸道のものってことですか?」

「しかし……とても信じられないですよ…
 だってその携帯を触ったのは水無怜奈を奪還される前ですよね?
 その時点で予測していたということですか!?」

「ええ…シュウならそれくらい」


キャメルがジョディに「少々飛ばしますよ」と声をかけてから車のスピードをあげた
ジョディたちが乗っている車の後ろに数台がつけてきていた


「生きていたとしても赤井さんは今どこに!?
 心当たりのある人いないんですか?口癖が赤井さんと一緒とか……」

「あ……!前にシュウにそっくりな人をデパートで見た時にすれ違った男……
 確か、コナンくんに写真を見せてもらって……名前の彼氏だって……」


すると二人が乗った車の前に二台の車が停車していた
道は完全にふさがれている


「嘘!車でバリケード!?」


キャメルがギリギリのところで、その車を避けた
ジョディからはさすがね!と称賛の声が上がった


「まずい……ハンドルが右にとられてしまう
 さっき避けた時にタイヤとホイールがダメージをくらって……タイヤのエアが漏れ始めているんです…」

「えええっ!」

「屋根を開けろ」

「え…?」

「開けるんだキャメル…」

「あ、はい!」


屋根が開き、後部座席が月の光に照らされた


「シュウ……と名前!?」

「あ、赤井しゃん……」




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