あなたの気持ちはどこにあるの
目覚めるといつも私の部屋だった
あれは夢だったのだろうか
夢だったとしたらリアルすぎる
「……スコッチさん」
夢の中で零くんが叫んでいた
隣には血まみれの長髪の男性が立っていて…
零くんはその人を責めていた
その人がやったのかな
「……苦しむ零くんを見たくない」
:
:
:
放課後に日直で残った私は待っていてくれている零くんと将来の話になった
「零は警察になるの?」
「零ならきっとなれるよ」
零くんは私のヒーローだ
頭もいいし、運動だってできる
私はそんな零くんが大好きだ
私なんかよりもっとたくさんの物を抱えていると思う
零くんの目にたまに暗い影が差すことがある
私は、そんな零くんがいつか私なんて捨てていなくなってしまうんじゃないかと思った
「なまえ、好きだ」
「私も好きだよ、零くん
私、零くんのためなら何でもできる」
私、零くんのためならなんでもできるんだよ
あの夢が頭を過って、涙が少し出た
私は気付かぬうちに、零くんのワイシャツを少し濡らしてしまっていた
気付かないフリをしている零くんは、今どんな気持ちなのだろうか
← | →