終わりの日
「零くん?何でここにいるの?」
「なまえ…?」
「…零くん……」
泣き腫らしたこの汚い顔を見られたくなくて、背中を向ける
「なまえ、俺はどんなに辛い未来があっても、生きていく
これからも俺の傍にいてくれ」
零くんがゆっくりと私に近づいてくるたびに砂利を蹴る音がした
「……いてもいいの、私身勝手で……」
「それは俺のためだろ?」
零くんは全部知ってる…?
まさか、私と同じくタイムスリップを?
「全部、受け止めるから死なないでくれ」
どこかの未来の私は死んだんだ
無理矢理前を向かされて、私は抱きしめられた
私はおそるおそる背中に手を回した
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「零くん、おはよう」
「おはよう」
零くんと同じベットに寝ながら、微笑み合う
幸せだ
私が自殺した日にタイムスリップをした零くんは、私の自殺を止めた
未来に大きな影響を及ぼすかと思ったが、そこまでの影響はなかった
不思議なことにあの日からタイムスリップはできなくなった
きっと、私がもう必要としなくなったから
「零くん、私凄く幸せ者だね」
「俺もだよ」
私たちの物語は一旦終わりを告げた
新しく、また始まる
未来にも過去にも縛られずに「今」を一緒に生きていくために
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