私の世界は歪んだ
また予知の夢を見た
今日、私は零くんに別れを告げられる
何度も、繰り返したタイムスリップは私の心を壊すには十分な材料だった
どんなに傷ついても、私は未来を選ぶと決めた
それが零くんとの約束だから
「零くんはたまに生きてるってあほらしいことだと思わない?」
ああ、おかしいな
全然いつもみたいに笑えない
「私はいつもそう思ってるよ
嫌な事も全部受け入れて、誰でもペコペコして、嘘の表情を張り付けて、利用されて、捨てられて」
あながち嘘でもないのかもしれない
零くんに従順だった私は、心のどこかで自分に嘘をついてしまっていた
「零くんには一生分からないだろうね
私みたいな生きる意味を失った人間のことなんて」
全部、嘘
嘘って思う自分でさえも嘘かもしれない
零くんに嫌われたかった
嫌われてみたかった
「零くんはいつだって他人事なんだよ
私が悩んでたって、苦しんでたって、関係ないって思ってる」
「なまえ…」
「ありがとう、零くん
さようなら」
ありがとう、零くん
こんな私を好きになってくれて、私、決めたんだ
嫌われてでも、零くんを助けるって
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