彼女の口癖
「零くんは、警察向いてないかも」
「どうしてそう思うんだよ?」
「だって、すぐに頭に血上るし……」
なまえが俺を否定するのは初めての事だった
その時は素直にショックだった
なまえなら、分かってくれると、応援してくれると俺は思っていたからだ
大学の友達同士で海に行こうという話になっても、なまえは「零くんはだめ!」と止め、俺は結局行けなくなった
俺が警察学校へ行こうと思ったきっかけになった小さな講習会もなまえにしつこく止められていた
結局は内緒でいった
そのことがバレて、喧嘩になった
その時のなまえは怒っているというよりかは悲しそうだった
俺はなまえの考えが分からなくなった
どうして、俺の夢を邪魔するのか
「零くんはこうした方が良いんだよ、そしたら、すべてうまくいくから」
いつしかなまえの口癖がこれだった
俺はそれを聞くのが嫌だった
聞いているのが苦しかった
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