過去と現在と未来
「零くんは、未来と過去に行けるならどっちがいい?」
さっきより、大人びたなまえが目の前に立っていた
場所は、俺となまえが通っていた大学のようだった
俺は警察学校に入る前に少しだけ大学に通っていた
途中でやっぱり、警察学校に行こうと思い、大学を辞めた
「何だよ…いきなり」
「なんとなく、気になったの!
だから、教えて」
なまえは目を輝かせる
過去に戻った時とは少し違う
ぼやーっとした感覚、きっとこれは夢だ
「未来かな、過去を振り返ってても意味ないだろ」
「あはは、零くんらしいね」
「なまえは?」
「私は未来でも過去でもなく、現在かな」
選択肢にないものを言ったなまえに「選択肢にないだろ」というと、「でも、本当のことだから。それに、零くんは現在って選択肢があっても選ばないと思う」と言った
その時のなまえはいつもと少し違って、目がどこか遠くを見据えていたような気がした
「私は過去でも、未来でもなく、今を大切にしたいの
私には今しかない」
「え?」
「零くんはどんな時でも、未来を選んでね
未来だけを見つめて、立ち止まらないで」
「なまえ……」
「私が零くんの未来を守るから」
そうだ、これは俺の記憶だ
俺となまえが別れる前の………記憶だ
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