予測不能なことはよく起きるC
しばらくすると、別荘の人たちが石栗さんが出てこないと騒ぎ始めた
それと同時に二階からドンっと大きな音が聞こえた
急いで二階に向かうと安室さんが針金のようなもので部屋の鍵を開けていた
「開いたようですね」
「すごーい安室さん!」
「まるで怪盗キッド!」
安室さんがドアを開けた時に新一の姿が少し見えた
そうだ、新一は石栗さんの部屋で寝かせてもらっていたんだ
「開けるなァ!」
新一の大きな声に驚いて、肩がビクッと大きく揺れた
「開けちゃだめだよ…」
「コ、コナンくん…?」
「ドアをふさいでいるの死体だから…」
「え?」
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「密室殺人!?これがかい!?」
横溝警部さんが思わずといった感じに声を上げた
「うん!
入口の扉は石栗さんの遺体で塞がっているし、窓も全部鍵かかってたもん!」
「でもね……テニスウェア姿の遺体の下にあるラケットには何かをぶつけたような傷がついていて…遺体の側にある棚にも似たような傷があり…その棚に花瓶が置いてあったとすると…部屋で素振りをしていた石栗さんの手が滑り、飛んだラケットが棚にぶつかり…落ちたラケットを拾おうとしたところに花瓶が落ちてきてもがき苦しんだ…ということにならないかい?」
単純すぎるような気もするけど、筋は通ってるのかな…?
すると、新一が「でもさー」と口をはさんだ
「でもさ、それならラケットはもっと棚の側に落ちてるはずだし…もがき苦しんだなら重そうな花瓶も肩のところに乗ってないんじゃない?
それに、棚の真下の床に花瓶が落ちた時にできたような大きなへこみも残ってるし…
ボク、ドンっていう大きな音で目覚めたけど、あれが花瓶の音ならきっと事故じゃないよ
その後すぐに花瓶としたいを触ってみたけど、血が乾いてたもん」
「元々血が付いた花瓶が棚から落ちてきたってこと?」
思わず口をはさんでしまった
新一は特に気にした様子もなく、「そうだよ」と返してくれた
「大きな音はほかの人たちにも聞いたみたいだから確かめてみたらいいよ、横溝警部!」
「だとしても、血のついたこの花瓶…何で落ちたんだい?
それに太った石栗さんの遺体を床に後も付けずにどうやって扉の側に?」
「それはまだ分からないけど、犯人はあの3人の中の誰かだってことは間違いないよ!」