予測不能なことはよく起きるB


お医者さんの「ただの脳震盪でしょう」という言葉にホッと胸をなでおろした
すごい当たり方をしていたから、頭に後遺症とか残ったらどうしようと思っていたから良かった
それでも後から症状が出ることもあるから注意しなければいけない


「なまえって本当にがきんちょ好きだよね〜
 沖矢さんみたいなかっこいい彼氏いるのに」

「コナンくんと私の親は仲良いから…」

「そうだよ!ボク、よくなまえ姉ちゃんによく遊んでもらってたんだ!」


お昼ご飯を食べた後にみんなでテニスの団体戦をしようという話になった
新一は冷房の効いた石栗さんの部屋に行ってしまった
冷やし中華を食べ始めると、蘭ちゃんたちが安室さんに話しかけた


「安室って本当にテニス上手ですよね」

「かっこいいしね!」

「そんなことないですよ」

「え〜なまえも安室さんかっこいいって思うよね?」


突然話を振られて、驚いて「う、うん安室さんかっこいいよね」と返した
不自然じゃなかったかな…と思ったけど、会話が普通に進んでいたので特に何も感じられなかったみたいだ

安室さんみたいな人はこういう出会い方をしなかったら、一生会えない人だと思う
組織関連の事で彼女を作る暇なんてないんだろうけど、作ろうと思えばすぐにでもできそう


「なまえさんは恋人とかいないんですか?」

「えっと…」

「なまえには、沖矢さんっていうイケメンの大学院生の恋人がいるんですよ〜」


私が答える前に園子ちゃんが答えてしまった


「へぇ……」


安室さんは意味深に笑った
隠すと逆に怪しいだろうから、言っちゃって良かったかもしれない

この前のベルツリー急行の時に沖矢さんではなく、赤井さんとして安室さんと対峙したと赤井さんが言っていた
赤井さんが生きていることを察し始めている……
元々、安室さんは赤井さんの死を疑っていた
だから、赤井さんの姿に変装して何度も現れた


「なまえさんのような方なら恋人がいらっしゃると思ってましたよ」

「もしかして、安室さん名前狙い!?」


園子ちゃんの発言に安室さんはまた意味深に笑って、「どうでしょう」と答えた


「あ、コナンくんに冷やし中華持っていこうかな…」

「私も行くわ、なまえはどうする?」

「まだ食べ終わってないから、2人で行ってきて」


蘭ちゃんたちは新一の分の冷やし中華を持って、階段を上って行った

私はまた冷やし中華を食べ始める
冷やし中華は私の中の熱を吸い取るように冷たかった