大切に思われることの幸せ


「それはそうと先に説明しといてくれない!?
 驚いたわよ!7号車のB室に逃げ込んだらあなたのお母さんとなまえが待ち構えてて…
 『後は任せて』って言われたって何が何だか分からないじゃない!
 なまえも携帯押し付けてどっかに言っちゃうし、何の冗談かと思ったわよ!」


本気で怒っている哀ちゃんに私は思わず正座してしまった
隣で新一が憐みのこもった目で私をみていた


「奴らが来るかどうかは半信半疑だったんじゃよ…」

「ベルモットが乗ってるって母さんにメールしてもらうまで油断してたし、俺達の部屋は盗聴されてたみたいだから下手なこと言えなかったんだ」


盗聴されていたんだ
私の部屋もそうだったのかな
沖矢さんたちの部屋は大丈夫だっただろうけど


「オメ―の携帯をハッキングしてた昴さんがベルモットからのメール見て…
 さすがにヤバイと思って迎えに行ったらしいけど…」

「その昴って人、何者なのよ!?」

「大丈夫!彼は味方だから!」


赤井さんが哀ちゃんに執着していたのは明美さんの妹だったから…
赤井さんの仲で明美さんの存在は大きい
私にとってのスコッチと同じだ


「まあ、今回の収穫はポアロでバイトをしていた安室さんがバーボンだって分かったことだな」

「そーいえば彼はあれから体調不良で店を休んでいるらしいが…」

「もう戻ってこねぇんじゃねーか?」


安室さん、バーボンには聞きたいことがあったのにな
監視役も外れたら、もう接触できない


「とにかく!今度私に黙ってこんなことしたら許さないわよ!
 騙された感じで全然嬉しくないんだから!」

「それ、お前流の言葉で『ありがとう』って意味か?」

「バッカじゃないの!」

「哀ちゃんはツンデレじゃから」

「どの辺がデレなんだよ?」


哀ちゃんは話が終わると私の説教に入った
あなたはどうして危険に飛び込むの、警戒心無さ過ぎるとか哀ちゃんが必死に言っていた

私はそれが嬉しくて、ありがとうというと反省してないわねとまた説教が長引いた

私は哀ちゃんが私の事大切に思ってくれて凄くうれしいんだよ