ベルツリー急行


「なまえちゃんはどう思う?」

「え?何が?」

「聞いてなかったの〜?
 ベルツリー急行だよ〜」


大学の着くと、いつも一緒に行動してる子たちが集まって楽しそうに話していた
私も仲間に入っていたが、いつの間にかぼーっとしてしまっていたらしい
寝不足かもしれない
どうやら、彼女たちはベルツリー急行についての話をしていたらしい
そういえば、新一も乗るとか乗らないとかなんか言ってた気がする

この子たち、ミステリー大好きだからなあ







「というわけで、席とれたからなまえも来てよ!」


学校帰りに園子ちゃんと蘭ちゃんに呼び出されて、ポアロで待ち合わせをした
どうやら、鈴木財閥が経営しているらしく?、ベルツリー急行の席が特別に取れたらしい


「いいけど…し、コナンくんも来るの?」

「がきんちょたちの席もとったわよ〜
 なまえ、がきんちょをずいぶん気にするのね、もしかして…」

「やだな、ただ来るのかなって思っただけだよ」


新一はこういうの好きそうだから、来れなかったら可哀相だし
なんだかんだで私も結構楽しみ


「ふーん?
 それより、なまえ
 沖矢さんと付き合ってたんですってね?」


じりじりと近づく園子ちゃんに勘弁したように、沖矢さんとのあれこれを全て話したのだった
勿論、赤井さんのことは伏せて


「まあ、沖矢さんって最初からなまえのこと好きな感じしてたもんね」

「そうそう、なんか違ったよね」

「んん…よく言われるけど私よくわかんないんだよね…」

「なまえは鈍感だしね〜
 沖矢さん苦労しただろうに」


ふいに視線を感じて、視線の先を見ると安室さんだった
安室さんは私に優しく微笑むと店の奥へ消えてしまった

妙な胸騒ぎがした
何かが起こるようなそんな感じ


「なまえ、これベルツリー急行のパスリングだから」

「なんかかっこいいね!」

「おしゃれだよね」


私は園子ちゃんたちと別れると沖矢さんの家に向かった
もらっていた合鍵で鍵を開けた

もしものために新一からもらったものだ


「おじゃまします」


沖矢さんはリビングでパソコンで何やら作業をしていたらしい
いつも閉じられている目が珍しく、開かれていて、私はドキッとした


「明日、コナンくんたちキャンプに行くって言ってましたね」

「そういえば、そうだったな
 なまえ、ベルツリー急行に乗ることになった」

「あ、私も……園子ちゃんに誘われて」

「実は、バーボンがベルツリー急行で茶髪の子が狙われるようでな…」

「哀ちゃんが…?」


ベルツリー急行にはたくさんの人が乗る
蘭ちゃんだって、みんなも乗るのに、組織がその中で何をやらかすか分からない


「なまえには、あの子の護衛を頼む
 バーボンも迂闊に手を出せないはずだ」

「赤井さん、私何でもします
 なので、何でも任せてください
 みんなの力になりたい」

「ボウヤが頷いてくれないと思うが…」

「説得します」


赤井さんは仕方ないなと言った表情で私の頭を撫でた
やっと、力になれるのに私だけ何もできないなんて、そんなのは嫌だ

何もできずに、誰も失いたくない



数日後、キャンプで起こった事件により哀ちゃんがベルツリー急行に乗ることが組織にバレてしまった