ちょっとした変化F


「なんだァ?
 2人一緒に…」

「いえ…そのボウヤが話があると…」

「あ、でも昴さんも話があるなら先に…」

「だーかーら、話なら署に行ってからたっぷりと…」

「けど、それじゃあ…」

「けど、それじゃあ…せっかくの証拠を隠滅されてしまう恐れがある
 そういうことでしょ?」


哀ちゃんが新一の言葉に続く形で答えた
新一の核心をついていたようで、新一も「まあな」と返していた


「証拠って…一体何の証拠だよ?」

「それはもちろん!
 あの女性をこの一角岩に置き去りにして、脱水死させた証拠ですよ!」


そういった後に子どもたちは新一や沖矢さんに「ですよね?」「だよね?」「だよな?」と確認をとった
沖矢さんと新一は「ああ…」と返していた
この2人本当に似てる…

そうすると、容疑がかかっている3人も反論してきた


「お嬢様は『後はよろしく』というメールが来たと言ってましたよね?
 それがあなた方に犯人がいるという証拠ですよ
 恐らく犯人は置き去りにしたお嬢様を捜させないようにメールを打ったんでしょうが…
 そうするには誰よりも早くダイビングを切り上げて、お嬢様の携帯を探し出し、送信しなけ  ればいけない…
 お嬢様の携帯からのメールじゃないと怪しまれますからね…」


「なるほど!
 携帯を持って、潜るわけねぇからお嬢様からの発信はない
 となると、そんなメールが来てもおかしくねぇ状況だとわかっていたあんたらしか
 そのメールは打てねぇってわけか!」


私が犯人なら海に捨てる
それなら証拠は残らない

沖矢さんも同じ意見だったようで、同じことを言っていた


「じゃあ、証拠なんてねえじゃねーか!」

「いや…証拠どころかお嬢様ちゃーんと犯人の名前を残してくれたよ!
 そうだよね?

 青里周平さん?」