ちょっとした変化E


「お兄さんたちの時計、お嬢様のと同じダイバーズウォッチだね!」

「お嬢様が俺達に作ってくれたんだよ
 何か共通のアイテムを持とうって」

「赤峰エンジェルフィッシュって名前を入れてな」


この中に犯人がいると新一は確信しているようだった
沖矢さんも同じだろう
この2人は不思議と似ている

そういえば、赤井さんも新一と似てるところがあった気がする


「そうか、わかりました!
 あの魚の文字!」

「え?」

「あれに文字を足して繋がれば文章になるんです!」

「サバに『ク』を足せば、砂漠
 タイに『アイ』を出せば、会いたい
 つまり、会いたいから砂漠に来いというメッセージだったというわけです!」

「都合よく、文字を足して強引に文章にしても解けたことにはならないんじゃない?
 文字を足すにしろ、引くにしろ…それを暗示するキーワードがないと…」

「でかしたぞ、オメーら!」

「やはり、無邪気な発想は侮れない…」


沖矢さんは興味深そうに子どもたちを見た
沖矢さんと子どもたちのやり取りを見ていると、ほのぼのする


「ま、まさか…犯人が!?」

「分かったの?」

「ああ…君たちのおかげでね」

「どういうこと?」

「犯人は最初から名乗ってたんだよ!
 自分が犯人だとな!」


すると、警察の人たちが一角岩から移動しようとしていた
きっと署での調査で済むと思っている

でも、私はなんかここでしか解けない事件な気がした
そんな気がしただけだから、私に警察の人たちを止めるほどの上手い説得ができない


「「ちょっと待った!
  あ…」」


沖矢さんと新一の声がぴったり重なった