ちょっとした変化D
「お魚さん、何が好き?」
「1人ずつ答えてくれませんか?」
捜査に戻ると子どもたちが容疑がかかっている3人に好きな魚を聞いていた
状況がよくわからないので、とりあえず黙っておくことにした
「なんだ、このガキども…」
「あ、いや…
何だお前ら!急に変なこと言い出しやがって!」
今、警部さんと同じ気持ちだ…
私もちょっとよくわからない
「だって、あの魚の名前のダイイングメッセージって」
「ひょっとしたら、犯人の好きな魚を書いたかもしれないじゃんか!」
「んなバカな…」
「いや、着眼点は悪くない…
常識に囚われない無邪気な発想が時には謎を切り開き、真実を見抜く鍵になることもある…
そうやって、このボウヤの言葉をヒントにいくつもの事件を解決してきたんじゃないですか?」
「ま、まぁ…いくつもってわけでもねえが…」
沖矢さんは子どもたちのこと大好きなんだろうな
庇うとかそういうわけではないけど、なんかね…
「おい、お前ら
大好物の魚とかあるか?」
「3人とも魚は大体大好きっスよ!」
「嫌いな魚も別に…」
「だとよ!」
「フム…」
どうやら違ったらしい
沖矢さんを見ていると目が合った
私は勢いよく逸らしてしまった
見なくても分かる
沖矢さん、今絶対笑ってる