ちょっとした変化A


「博士が迎えに来れなくなったので、僕が頼まれたんです」


そして、子どもたちが一人ずつ船に乗っていく


「足元に気を付けて」

「うん!」


歩美ちゃんが無事に船に乗り、哀ちゃんの出番がきた
その時、哀ちゃんがバランスを崩して、倒れそうになった
それを沖矢さんがナイスキャッチをした

哀ちゃんは驚いた顔をして、茫然としていた


「なまえさん、どうぞ」

「あ、はい」


沖矢さんが手を差し出してくれたので、私は手をとって、船に乗った


“だって、沖矢さんがなまえお姉さん見る時の目がなんか違うもん
 あと、話してる時とかもなんか凄く幸せそう”


歩美ちゃんの言葉が頭を過って、頬が熱くなった


「なまえさん、顔が赤いですが…大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です!
 ありがとうございます!」


私はそそくさと哀ちゃんの方へ移動した
哀ちゃんからのお説教が始まったけど、それでも沖矢さんから離れたかった


「(私、いつからこんなに気持ちがころころ変わる女になったんだろう…)」


私の心には赤井さんだけがいると思っていた
なのに、今は沖矢さんが入り込んでいる

お説教の中、そんなことを考えていると、ちゃんと聞いているの?と哀ちゃんにまた怒られた






「沖矢さん、わざと?」

「どうだろうな…」


遠くで新一と沖矢さんが話しているのが見えた
あの二人仲がいいなあ

ああ、また哀ちゃんに怒られた
ごめんなさい