彼女が気がつく頃には事件は終わっているA


私がお茶でも入れようと台所にいると、蘭ちゃんたちが書斎の方に入って行った
書斎に飲み物持って行って、こぼしたら大変だから、みんなが出てくるまで待っていよう

リビングのソファーに座ると眠気が襲ってきた
ちょっとだけなら…いいかな
私はゆっくりまぶたを閉じた







誰かに優しく肩を叩かれて、目が覚めた
ゆっくり目を開けると目の前に沖矢さんがいた


「大丈夫ですか?
 勝手にベットに連れていくのも…と思ったので…
 客間の方で休んだ方が…」

「あ、大丈夫です!
 レポートで徹夜して、午前中授業受けてきたので、ちょっと疲れてただけですから」


2時限目が終わってからの帰り道で、新一から事情を聞き、急いで新一の家に向かったのだ
休む暇なんてなかった


「そうですか…短大だとレポート多いんですか?」

「いえ、そんなにないんですけど、私がうっかり忘れてて…」


あれ?私沖矢さんに短大生だって話したことあったっけ?
覚えないだけであったのかも…


「そういえば、蘭ちゃんたちは?」

「彼女たちなら金一くんに電話をかけていますよ」

「金一?」


新一が沖矢さんに自分の事は何も教えるなって言ってた気がする
それで嘘の名前でも名乗ったのかな


「どうかしましたか?」

「あ、気にしないでください」


私は沖矢さんのことをそこまで知っているわけではない
警戒するというのも変だけど……沖矢さんを組織のことに巻き込まないように注意したい


「うん、わかったよ!
 園子!あとは頼んだよ!」

「あ、ちょっと…!」


蘭ちゃんが慌てて家を飛び出して行った
園子ちゃんも警察に行くと言って、いなくなってしまった


「沖矢さん、何か事件でもあったんですか?」


私が寝ている間に何かあったようで気になって、沖矢さんに聞くと何故か笑われてしまった