赤と白と黄色とA


アニメ:510話


「あ、なまえさん」

「良かった、沖矢さん……火事に巻き込まれなかったんですね」

「なまえさんも巻き込まれなかったんですね…安心ししました」

「私たまたま、知り合いの家に泊まっていて……」


すると、誰かが私の服の裾を引っ張った
目線を下げると、歩美ちゃんが不思議そうにこっちを見ていた


「なまえお姉さんの知り合い?」

「うん、お隣さんだよ」


ふと哀ちゃんのほうを見ると、新一の後ろに隠れていた
顔は真っ青だった


「哀ちゃん、顔色悪いけど大丈夫?」


私だけでなく、新一や歩美ちゃんたちも心配そうに哀ちゃんに声をかけていた


「……えぇ、平気よ」


哀ちゃんがこんな状態になるのは組織関連のことぐらいだ
辺りを見渡すも、それらしき姿は見当たらない


「おい、本当に大丈夫か?」

「え、えぇ……」


突然、哀ちゃんが目を見開いた
そして、顔色は少しずつ良くなっていった
組織の気配が消えたのだろうか


「あの3人ってどんな人?」

「ああ、右から
 大工をやっている細井竜平さん
 大学院生の沖矢昴さん
 フリーターの真壁吟也さん」


3人を紹介し終えたところで弓長警部の部下の人が焼け跡から見つかった開人くんの日記を持ってきた


「えーっと、最後のページは10月5日…昨日か
『今日は朝からやな天気
 ボクは早く学校に行かなきゃいけないけど…赤い人は寝坊できるかもね』」

「赤い人…?」

「何か心当たりが?」

「い、いえ…」


赤井さんのことをまた思い出してしまった
恥ずかしくなって、頬が熱くなった

弓長警部はまた開人くんの日記を読み始めた


「『学校から帰ったら玄関で転んじゃった
  白い人が出かけるトコでよかったよ!

  今日の夜は赤い人も白い人も黄色い人も出かけてる
  お父さんと二人っきり!
  もっと遊びたいけど、明日探偵団のみんながくるから早く寝よーっと!

  誰だろう?
  夜中に誰かが帰ってきた
  お父さんと口喧嘩してる、黄色い人だ
  怪しいことをしてるのがお父さんにバレちゃったのかな?
  怖いから耳ふさいで寝よ
  起きたら、江戸川くんにこのこと話さなきゃ』」


少年探偵団のみんなが黄色い人が犯人だといっている中、新一は顎に手を当て、考え込んでいるようだった

そんな時、私は眩暈がして、しゃがみこんでしまった


「なまえ大丈夫か!?」

「し、コナンくん……大丈夫だよ」


新一が素で話しかけてきたので、私は思わず新一と呼びそうになった
自分が思っている以上に、火事にショックを受けている

新一が博士に電話をしてくれて、数分後には博士が迎えに来てくれた
私は事件の真相が明かされる場から去り、博士の家で寝込んでいた
哀ちゃんの匂いがするベットの中で、意識をとばした