赤と白と黄色と@


※アニメ:509話


「灰原、今日は妙に機嫌が良いな」

「今日はなまえが泊まりにくるのよ」

「は!?」

「あなたはダメよ」

「おい待てよ、灰原!」







昨日は哀ちゃんと色々話したりして楽しかった
興奮しすぎてなかなか眠れなかった私を哀ちゃんが起こしに来てくれた
哀ちゃんが近所のアパートに行くと言ったので、何という名前のアパートかと聞くと、私の住んでいるアパートだった


「哀ちゃん、それ私の住んでるアパートだ」

「え?」

「私のアパートの大家さんの息子さんが歩美ちゃんたちと同じくらいの年だった気がする」

「じゃあ、一緒に行きましょう
 一旦家に帰るんでしょ?」

「うん」


私は哀ちゃんたちと自分のアパートへと向かった
アパートに着くと、見る影もない姿に変わり果てていた


「な、なんで…」

「ここですよね?」

「マジかよ!火事で丸焼けじゃねぇか!」

「ウソー!」


子どもたちがさまざまな声を上げた
私は唖然としてしまって、ポカンと焼け焦げたアパートを見ていた


「そういえば、夜中にサイレンが鳴っていたわね…
まさかここだとは思わなかったけど…」


新一は焼け焦げたアパートを見て、黙り込んでいた
私はその沈黙に妙な違和感を感じた
まるで、この火事よりも別のことを気にしているような…


「じゃあ、昨日のあの子は!?」


私は貴重品類はほとんど全部持っていたし、元から家にほとんど物はない
でも、昨日大家さんに少し家を空けるので荷物とかが届いたら、代わりにお願いしますと頼みに行った時、親子水入らずで過ごすと言っていたはすだ


「もしかしたら、火事で!?」

「そ、そんな…」

「いや、その開人ってボウヤは無事だ!
少々火傷を負っているが、消防隊員に助け出されて病院で寝てるよ」

「よかったー!」

「あ、弓長警部!」

「おお!毛利んトコのボウズか!
赤馬の事件以来だな!」


私は開人くんの無事に安堵した
どうやら、他の人も無事らしい


「大家さんを除くと、住人は4人いるんだが、3人は丁度外出していて、朝に帰ってきたらしい、4人目とは未だ連絡が取れなくてな…」

「あの、4人目……私です……すみません」

「あんたか!今までどこに?」

「知り合いの家に泊まっていて、ここにいる哀ちゃんが証明してくれると思います…」


哀ちゃんが私のアリバイを証言してくれて、疑いは晴れた
私はホッとして息を吐いた


「火事って夜中だったんでしょ?外出って…」

「まあ3人ともガキじゃねぇから朝帰りっていうのもおかしくねえが…」


私は他の住人とはそこまで仲は良くない
見かけたら、挨拶はする程度の仲である


「その3人の誰かじゃねーのか?火ィつけたの!」

「開人くん言ってたもん!その3人の中に夜になったら怪しいことしてる人いるって!」


少年探偵団のみんなが情報を提供している事件に慣れすぎな小学生たちを見ていた
私は血もあまり得意ではないので、血なまぐさい事件にはなるべく関わりたくないと思うものの、人が殺されるということには憤りは感じる


「怪しいことってどんな?」

「それを確かめるためにここにきたんです!そうしたら、こんなことに…」

「おい、悪いが3人を連れてきてくれ!」


刑事さんが連れてきた1人を見て、私は目を見開いた
このアパートの住人である限り、疑われることは避けようがない


「お、沖矢さん…!」


沖矢さんも容疑者の1人なのだ