恋を知るシンデレラ
「やめて!みんなを殺さないで!私が、私が全部悪いの!」
「関係ない
お前が悪かろうが、俺たちはお前の周りの奴らを始末する
嬉しいぜ?シンデレラがシェリーという土産を持って、こちら側にきてくれるなんてなあ?」
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「……!」
嫌な夢を見た
新一や志保ちゃん、蘭ちゃんや赤井さんたちが殺される夢だった
私の足元は真っ赤で、たくさんの死体があった
その死体たちは目を開いて、こっちを見ていた
「……どうしてこんな夢……」
携帯が着信を告げるライトが点灯し始めて、私は急いで携帯をとった
「もしもし…?」
《なまえ、落ち着いて聞いて
……シュウが死んだの》
その瞬間、私は頭の中が真っ白になった
しばらくすると、先程見た悪夢が頭を過り、嫌な汗が出た
ジョディさんの声はすごく震えていた
時々混じる鼻をすする音や涙ぬぐんだ声が私に赤井さんの死は現実だと告げていた
ジョディさんが何やら説明をしていたが、私の耳には全く入らなかった
気が付くと、電話は切れていて、私は床に座り込んでいた
じわじわと涙が込み上げてきた
赤井さんが死んだのだ
私の口からは小さな嗚咽がこぼれた
私は今、自分が泣いていることに気づいた
私は赤井さんが死んだという事実を受け止められなかった
赤井さんへ抱いたこの想いは何なのだろう
私は彼のことを信頼していたし、尊敬もしていた
この感情はどこかなつかしく、胸を苦しくさせる
“なまえ、私ね新一のこと好きなの”
“そうなんだ!蘭ちゃんと新一、本当にお似合いだと思う!”
「……ああ、私赤井さんのこと好きだったんだ」
私は、赤井さんに恋をしていた
だから、彼が死んでこんなに胸が苦しい
涙がどんどん溢れるのに比例して、嗚咽の声も大きくなる
「……死んじゃったら何も伝えられないじゃないですか、赤井さん」