不吉な日


博士は蘭ちゃんと蘭ちゃんのお父さんをなんとか匿っていた
蘭ちゃんが新一を心配して、家に帰ろうとしたが、私が止めるよりも先に哀ちゃんが止めに入った


「帰っちゃだめよ!江戸川くんなら心配ないから…だからもう行かないでお願い!」

「うん、わかった…
 哀ちゃんがそういうならそうするわ」


哀ちゃん自身も自分の行動に驚いているようだった

蘭ちゃんは少しだけ明美さんに似ている気がする
私は先に蘭ちゃんに出会ったので明美さんを見た時、蘭ちゃんに似ていると思った
もしかしたら、哀ちゃんも私と同じことを思っているのかもしれない

気が付くと蘭ちゃんのお父さんの姿はなくなっていた
どうやら、探偵事務所に帰ってしまったらしい

私は探偵事務所に向かおうとするも、哀ちゃんが「江戸川くんがなんとかするわ、あなたは自分の安全だけを考えて」と真剣な顔で言うので、私は何も言えなかった

その後、新一から蘭ちゃんのお父さんが危機一髪のところで助かったと連絡が来た
それと同時にまた赤井さんとは連絡が取れなくなった
赤井さんから連絡が来たのは、この日から数日後のことだった


《……何が起きても俺はお前の傍にいる》


その一言だけ告げると電話は切れた
リダイヤルしても繋がらなかった

近くにあったカレンダーが目に入った
今日は不吉にも、13日の金曜日だった