雨の中での暗躍D


杯戸公園に着くとジョディさんと新一は車から降りた


「いいか?行くのは俺とジョディ先生だ
絶対車から出るんじゃねーぞ」


新一は釘を刺すのをちゃんと忘れず、ジョディさんと走って行ってしまった


「哀ちゃん、今回新一を止めなかったのには何か他に理由があるんじゃないの?」

「吉田さんに言われたのよ、“逃げてばっかじゃ勝てない”ってね」

「……哀ちゃん、私いつかは組織と戦いたいって思ってる
 でも、私にはまだその力がない」

「あなたは十分な力を持っているわ
 組織に対抗できる力をね
 あなたはあのウェルシュとキティの娘なのだから」


哀ちゃんはそのまま口を閉ざしてしまった
私はウェルシュというコードネームが父のものだと気づき、そのまま哀ちゃんと同じように口を閉ざした

逃げてばっかりじゃ勝てないか
私も…戦わなきゃ

しばらくすると雨が降り出し始めた
そして、新一が戻ってきてジョディさんが私たちに帰るように言った
無事に狙われている人を助けることができたみたいだ
ホッと息を吐く


「特になまえ、あなたが関わっていることがばれたらまずいわ」

「…はい」

「まあ、この子は借りていくわ」

「じゃが車もなしにどうやって追跡を?」

「No problem
私たちのボスが運転手をかって出てくれたから」


博士の車の隣に一台の車が停車した、運転席には見覚えのあるFBIの人がいた

「じゃあ博士!おっちゃんを頼む!
うまいこと博士んちに匿ってやってくれ!」

「あ、ああ…」

「ねぇ分かってるでしょうけど…あなたの第一目的は発信機と盗聴器の回収よ!
 妙な好奇心と正義感で躊躇してたら、何もかも失うわよ」

「ああ…わかってるよ…」


哀ちゃんの顔をちらりと見ると、なんとなく分かってしまった
ああ、哀ちゃんは新一のこと好きなんだ