雨の中での暗躍B
「彼女がインタビューするのは、今度衆議院選に始めて出馬する3人よ!
1人目は、帝都大学の薬学部教授で数々の新薬を研究してきた…常盤栄策!
2人目は、資産家の御曹司で人気俳優、なおかつ当選したら二世議員となる千頭順司!
3人目は、元防衛庁官僚の父を持ち、自らも自衛隊の幹部だった土門康輝!
でも、彼女が何時どこで誰にインタビューをするかは聞きだせなかったわ…
彼女とTVクルーに任せてあるからって…
もしかしたら、アポなしのインタビューかも…」
「となるとTVクルーも奴らの仲間の可能性が高いな…」
「しかし、3人共イニシャルはDJじゃないしのう…」
「せめて場所がわかればいいんじゃが、駐車場や公園なんてたくさんある…」
「DJって普通ディスクジョッキーのことよね?」
私は3人が真面目に話しているのを聞いていた
嫌な予感がずっとしている
そんな気持ちを振り払おうと、窓の外に目を向けると、シボレーが走っていった
珍しい車だったので目を追うと、運転席に赤井さんがいるのが見えた
「(赤井さんが動き出している……?
それともたまたま?)」
新一はあのベルモットとの対決以来、組織のことについて、口が堅くなった
赤井さんやジョディさんが口止めしているのか、新一個人の判断なのかは分からなかった
哀ちゃんにも情報を極力は与えないようにしているらしい
私が考え事をしているうちに、新一がDJの正体に気づいたようで、説明が始まった
「ダイヤのジャック?
それがDJだというの?」
「ああ…奴らはカード、日本でいうトランプになぞられて、標的の人物をそう呼んでいたんだ!」
「となると、ダイヤは財産やお金を意味しておるから…資産家の御曹司の千頭順司じゃな」
「いや、トランプのジャックは廷臣か兵士よ…」
「確かにダイヤは金を意味しているが、占星術的には地の性質を持ってんだ
つまり、元自衛隊の幹部であり、『地』を示す文字がその名に刻まれている土門康輝が奴らのターゲットだよ!」