私は何も知らない


「HI!なまえさん、久しぶりね」

「ジョディさん、こんにちは」

「今日は話があってきたのよ」

「どうぞ、入ってください
話は中でしましょう」


ジョディさんを家に招き入れて、お茶を入れようとしたらジョディさんが「お茶はいらないわ、立ったリ歩いたりするのまだ辛いんでしょう」と言ってくれたので、私はそのまま座椅子に座った


「なまえさん、あなたに証人保護プログラムを勧めに来たの
私はベルモットに親を殺されて、この制度に助けられたわ」

「ジョディさん、私は受けるつもりはないです
もうみんなとは、離れたくないんです」


ジョディさんは深く息を吸うと「覚悟はできてるのね」と笑った


「はい、せっかく声かけてもらったのにすみません」

「いいのよ
あなたとシェリーっていう子は似てるわね
彼女も証人保護プログラムも断ったわ」

「哀ちゃんも…」


私も哀ちゃんも覚悟はできてる
私はゆっくりと息を吸った

「そういえばシュウに『しばらく会えない』と伝えてくれって言われたわ
なまえさん、シュウと付き合ってるの?」


私は吸っていた息を勢いよく吐き出した
その時に気管に唾が入ってしまったようで、咳き込んだ


「え!?私赤井さんとお会いしたばかりなのにそんなことあるわけないじゃないですか!?」


ジョディさんは楽しそうに笑っていた
からかわれたと気づいた時にはもう遅く、ジョディさんは「必死ね…なまえさん、いやなまえって呼んでもいいかしら」と笑いながら言った

「からかわないでください!
あ、はい!いいですよ」

「ふふ、ごめんなさいね
シュウがあなたに過保護なもんだから……
でも、不思議ね。シュウはなまえと会うのは初めてという感じではないのよね…」

「え?」


ジョディさんのその発言が妙に引っかかった
それと同時に家のチャイムが鳴った


「あら、お客様ね
私はそろそろ帰るわ
あと、これ私の連絡先よ
何かあったら連絡して」

「ありがとうございます」


ジョディさんが玄関のドアを開けると赤井さんが立っていた


「シュウ!どうしてここに……」

「お前こそ、なぜここにいるんだ?」

「証人保護プログラムのことについての話をしに来たのよ」

「そうか」

「まあ私は帰るわ
またね、なまえ」


ジョディさんは少し悲しそうな顔をして、私を見ていた
そして、赤井さんをチラッと見た後、帰って行った


「赤井さん、どうぞ
中に入ってください」

「ああ……」



私はまだこの時、ジョディさんのその行動の意味を知らなかった