シンデレラは遅れてやってくる
※アニメ:345話
新一に言われていた通り、部屋で黙って待っていた私はただぼーっと外を見ていた
「会わせたい人って誰だろ」
そんなことを考えている時にちょうどよく、チャイムが鳴り、玄関へ走る
いつもなら覗き穴を覗いてから出るのだが、その時の私は慌てていて、すっかり忘れていた
ドアを開けると、黒いニット帽を被り、黒い服装をした男の人が立っていた
緑色の目が私を捕らえた
私はやばいと瞬間的に思い、ドアを閉めようとした
しかしもうドアに足が挟まれていて、無理やり部屋に入られてしまった
「お前がみょうじなまえか」
「は、はい……」
「詳しいことはボウヤから聞いている……
俺はFBIの赤井秀一
君に助けを借りたい」
どこか闇が抱えたその目に私は見入ってしまった
そのどこまでも真剣な眼差しに私は頷いて、答えた
でも、どこかで会ったことがあるような…?
「私にできることならお手伝いしますけど……」
「実はな……」
私は明日に実行される作戦について知ることになる
全てを話し終えた赤井さんは私に了承を求めた
すぐに了承の返事をした
この作戦は哀ちゃんを守るためのものだから
――――――次の日の夜
「ベルモット……」
さっきまでジョディが銃口を向けていたが、立場が逆転し、ジョディが負傷し、ベルモットに銃口を向けられていた
「クッ……」
そんな時、ベルモットに向かってサッカーボールが飛んできた
そのボールはベルモットの手にピンポイントで当たる
「!」
ベルモットが構えていた銃はサッカーボールによって、遠くに転がっていってしまった
コナンはすかさず、麻酔銃を構える
「大丈夫?ジョディ先生」
「えぇ……」
そんな時、タクシーがこちらに向かって走ってきた
この殺し合いに近い緊張状態にそのタクシーは不釣り合いだった
コナンの中で嫌な予感や最悪なパターンがぐるぐるとまわり始める
「(ま、まさか……)」
―――予備の追跡眼鏡がない限りは大丈夫だ
―――本当に大丈夫なのか?工藤
―――ああ、予備の眼鏡はなまえに渡してあるからな…絶対灰原に渡すなよと念を押したし…
服部との会話がコナンの頭を過った
タクシーから出てきた少女にコナンは声を荒げて叫んだ
姿を見なくても、誰かは容易な予想ができた
「逃げろ!灰原!」
血相を変えたコナンを見て、ベルモットは笑みを浮かべた
だが、灰原とともに出てきた少女を見て、ベルモットはその笑みを消した
「…なまえ」
「ベルモット……久しぶり」