あなたが生きていてくれて私はどれほど救われたことか
私は、新一に連れられて、阿笠博士の家に来た
久々に歩いた懐かしい米花町の道を歩いていたら、昔のことを思い出した
新一や蘭ちゃんと遊んだ楽しい日々
「久しぶりじゃな、なまえくん!」
「お久しぶりです」
昔と変わらない優しい雰囲気に自然と笑みがこぼれた
その博士の後ろに隠れる茶髪の子に私は目を見開いた
「し、志保ちゃん……」
「久しぶりね……なまえ」
私の目からは自然と涙がこぼれた
ずっと死んだと聞かされていた志保ちゃんが今私の目の前にいる
私はそれだけで、嬉しかった
どんな姿であれ、志保ちゃんと会うことができた
「志保ちゃん……ずっと会いたかった」
「私もよ」
私より少し高かった背は私よりもずっと小さくなってしまった
私はそんな小さい体を強く抱きしめた
「志保ちゃん……」
「なまえ、今は私は灰原哀という名で暮らしているの」
「哀ちゃん……?」
「組織から逃げ出してからここでずっと隠れて暮らしているわ
でも普通に学校に通っているし、組織にもばれていないから安心して」
新一と蘭ちゃんと別れた後に、志保ちゃんと出会った
最初はよくわからない子だなと思っていたけど、一緒にいる内に素直になれないだけで凄く優しい子なんだってわかった
女の子らしいところもあって、ブランドとか服とかも大好きだし
「それでも良かった、生きていてくれて」
「あなたは本当に変わらないわね」
「そっちもね」
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あっという間に時間は過ぎて帰る時間になった
「……また来なさいよ」
「哀ちゃん、でも……」
「私のことは気にしなくてもいいわ」
「うん……また来るね」
新一とは帰り道が一緒なので、途中まで帰ることにした
「お前、蘭にちゃんと会いに行けよ」
「そうだね、そろそろ会いに行かなきゃね」
「あと、明日暇か?」
「うん、暇だけど…」
「明日、お前に会わせたい人がいるから、家に連れて行ってもいいか?」
新一の目は真剣そのもので、断る理由はないので、私は2つ返事をした
ホッとしたように、「僕、ここだからじゃあねー!」と探偵事務所に入って行った
「すごいなあ…」
新一の演技力に私はついつい、彼が高校生だということを忘れてしまいそうだった
「今度はちゃんと会いに来るね、蘭ちゃん」